銀行融資の金利はどのように決まる?資金調達方法を詳しく解説!
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「銀行融資の金利の決定方法は?」「銀行融資の相場が知りたい」
起業を検討している方はこのような悩みをお持ちではないだろうか。
銀行融資の金利相場は各金融機関によって違いがあり、金利を熟知しておくと有利に資金調達を進めることができる。
そこで本記事では、銀行融資の金利を具体的に解説する。起業や資金調達を検討している方は、ぜひ本記事を参考にして頂きたい。
目次
銀行融資の金利相場は?
早速、銀行融資の金利相場を解説しよう。
結論から言って、相場はないに等しい。
なぜなら、各金融機関によって金利に大きな幅があるからだ。
資金調達で利用する金融機関は、主に以下の3つが挙げられる。
・銀行や信用金庫
・日本政策金融公庫
・消費者金融や信販会社
これらの金利相場については、後の章で具体的に解説する。
まずは、銀行融資の金利を決定する要素から見ていきたい。
開業前の資金調達でお悩みの方は以下の記事を推奨する。
銀行融資の金利を決める要素
銀行融資の金利を決める要素には、以下の4つが挙げられる。
・銀行の借り入れ金利
・銀行の経費
・企業や個人の信用度
・銀行の利益分
個人または企業が銀行融資を依頼する際は、これらの要素を加味して金利を決定する。
それぞれ具体的に熟知して頂きたい。
銀行の借り入れ金利
銀行融資の金利を決める要素として、その銀行が借り入れをしている金利が関わってくる。
銀行が融資してくれるお金は、銀行の自己資金ではないからだ。つまり、預金者から集めたお金を融資者に又貸しているのである。
例え銀行であっても、借り入れている分の利息は払わなければならず、融資者の金利で利息を賄っている。
したがって、銀行と一括りに言っても、借り入れ金利の状況で融資の金利は異なるだろう。
銀行の経費
融資者からの利息は、経営を行う上で重要な収入源である。
銀行の主な収入源は、
・投資信託などの販売手数料
・リテール、法人向けの融資利息
・国際事業
・市場
などが挙げられる。したがって、融資者からの利息は銀行経営にとってかかせない収入源なのだ。
銀行にも、人件費などの経費が発生しているので、銀行の経営状況も金利に大きく関わってくるだろう。
企業や個人の信用度
次に、企業や個人の信用度も融資金利を決定する上で重要な要素である。
企業や個人の信用が低いと、返済が滞る可能性があるとみなされ、金利を高くされてしまいがちだ。
また、企業や個人が貸し倒れた場合の補填は、他の融資者の金利からまかなっており、その分も上乗せされている。
また信用度が低いと、金利が高くなるどころか、融資を受けられない場合もあるので注意したい。
銀行の利益分
銀行融資の金利は、諸経費を差し引いた後に銀行に利益が残るよう設定されている。
銀行ももちろん商売なので、自社に利益が出ないことは行わないだろう。
また、融資金利は利益に直接つながるので、銀行側は特に注意をして決定している。
銀行融資の金利は、これらの要素から決定されている。同じ金額を借りたとしても各銀行によって金利は異なるので、銀行融資を検討している方は相見積もりをとることを推奨する。
金利の相場は金融機関によって異なる
本記事の冒頭で、金利の相場は各金融機関によって異なると解説した。
それでは、銀行融資の金利が決定される要素を踏まえた上で、各金融機関の金利相場を解説する。
銀行や信用金庫
融資と聞くと、銀行融資を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
先ほども解説したように、銀行融資と一括りに言っても各銀行毎に金利は異なる。
ここでは、参考までにメガバンクの「三井住友銀行」が実施しているビジネスセレクトローンの金利を紹介しよう。
使いみち | 運転資金、設備資金(決算・賞与資金としてのご利用も可能です) |
借入金額 | 1億円以内(10万円きざみ) |
返済方法 | 元金均等返済 |
借入期間 | 最長7年(据置期間の設定も可能です) |
借入利率 | 2.125%~(変動金利の場合。固定金利、各種金利優遇制度もあります。)(注)審査結果に応じた当行所定の金利を適用させていただきます。 |
担保 | 不要※ |
保証人 | 第三者保証不要(ただし、代表取締役全員の連帯保証が必要です) |
事務手数料(消費税込) | ●はじめて当行からのお借入を行うお客さま:77,000円 (ただし、お借入金額が3,000万円以上の場合:99,000円)●上記以外のお客さま:33,000円 (ただし、お借入金額が3,000万円以上の場合:55,000円)※所定の印紙代が必要です。※固定金利をお選びいただく場合、上記事務手数料に加え、当初手数料として33,000円をお支払いいただきます。 |
引用:三井住友銀行
金利は最低でも2.125%であり、借り入れ条件などのハードルは比較的低めに設定されている。
【利用の条件】
・業歴2年以上であること
・三井住友銀行のお取引窓口(エリア・法人営業部・支店)でお取引が可能な地域に所在すること
・最新決算期において、債務超過でないこと
※債務超過とは、貸借対照表の純資産の部がマイナスであること
・お申し込みの時点において、税金の未納がないこと
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、日本政府が母体となっている金融機関だ。
個人事業主から中小企業向けの融資まで、幅広く受け付けている。
銀行融資よりも審査のハードルは高いが、金利が何よりも安いというのが特徴だ。
したがって、「できるだけ金利を抑えて資金調達をしたい」と検討されている方は、日本政策金融公庫からの融資を検討してみてはいかがだろうか。
具体的な融資金利は、基準利率が1.11%で、条件によっては「特別金利」が適用される場合もあり、最小金利は0.3%とかなり低金利である。
しかし、どんな企業でも融資が受けれらるというわけではなく、厳しい審査をクリアしなければならないため、事業計画書などの入念な準備が必要だ。
日本政策金融公庫に関して具体的に知りたい方は、以下の記事を推奨する。
消費者金融や信販会社
最後は、ノンバンクと呼ばれる金融機関を解説する。
いわゆる消費者金融などが挙げられ、「融資の審査が緩く着金までのスピードは早いが、金利が高い」特徴がある。
ここでは、大手消費者金融の「アコム」のビジネスサポートカードローンを例に見ていこう。
ご融資額 | 1万円~300万円 |
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貸付利率 | 実質年率12.0%~18.0% ※ご融資額100万円以上の場合、12.0%~15.0% |
資金使途 | 自由 |
返済方式 | 定率リボルビング方式 |
遅延損害金(年率) | 20.0% |
返済期間・返済回数 | 最終借入日から最長8年7ヵ月・1~89回 |
引用:アコム
アコムのビジネス向けローンは、実質年率12.0%~18.0%と銀行や日本政策金融公庫と比較すると非常に高い。
しかし、他の金融機関のような長い審査を待つ必要がなく、最短即日に着金が可能だ。
しかし、計画的な資金調達には向いておらず、「緊急でどうしても現金が必要になった場合」に利用するべき金融機関であると言える。
まとめ:銀行融資の金利は条件によって異なる
今回は、銀行融資の金利を決定する要素や、各金融機関の金利相場を解説した。
おさらいしておくと、
・銀行融資の金利に相場はなく、それぞれの銀行によって異なる
・銀行融資の金利は、様々な要素から決定される
・銀行融資以外にも、資金調達手段にできる金融機関はあるので、場合によって使い分けが大切
銀行融資の金利は、それぞれの条件によって異なる。
本記事を読んでいる方は、今一度資金調達手段を見直し、適切な金融機関に融資の依頼をするべきである。
監修税理士・公認会計士からのコメント
銀行融資の金利はかなり低く設定されているので、経営者にとってはありがたい存在です。一方で借りるためにはそれなりの実績が求められるので、創業直後の企業にとっては借りるのが難しいという点もあります。創業直後の資金調達には創業融資をおすすめします。