起業志望者必見!【会社法とは?】分かりやすく解説

2020年5月31日

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

会社を経営する上で必要なルールがまとめられた「会社法」。これから企業しようとしている方や、経営者の方は一度は目を通しておきたい法律だ。そこで今回は、会社法とはどんな法律なのか、簡潔に分かりやすく解説していく。また、重要なポイントの会社法と取締役会の関係性も解説する。

この記事を読むメリット

  • 「会社法」の概要を完結に分かりやすく知ることができる

会社法とは?分かりやすく解説!

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「会社法」とは、会社の設立から解散、組織運営や資金調達など、会社に対するあらゆるルールをまとめた法律のこと。

大規模な事業を行うことが想定される企業では、さまざまな立場の人々が利害関係をもつ。そこで、その利害関係を調整し、法律関係を円滑に処理するためにつくられたのが会社法だ。

すべての企業が対象となる法律なので、起業・経営する上では会社法で定められた範囲内にて健全に行っていく必要がある。

会社法の成り立ち

そもそも会社法はいつ、どうやってできたものなのか。現在の会社法は、2006年5月1日から新しく施行された法律だ。

それまで会社に関する法律は、「商法第2編」「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」「有限会社法」の3つの法律に分散されていた。そのため該当するいずれかの項目を個別にピックアップして適応していたため、活用しづらいという難点があった。また時代にそぐわないカナ表記で、非常に分かりづらくなっていた。

そこで、散文した法律を分かりやすく一本化し、改めて法律を再編成したのが、現在の会社法だ。

会社法の大枠

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会社法は、以下の以下の8編から構成されている。

1編:総則(第1条~第24条)

会社法における用語の定義や会社の商号などに関する規定が定められている。

例えば会社には法人格があること、会社の商号には株式会社、合名会社、合資会社、合同会社という文字を使わなければならないことなどがある。最初に理解しておきたい、会社法の基本となる内容だ。

2編:株式会社(第25条~第574条)

株式会社に関するさまざまな規定がまとめられている。株式会社設立の手順、募集株式や新株予約権を発行するために必要な手順、株主総会や取締役会機関の設置、会計帳簿の計算方法、剰余金の配当方法、定款の変更方法、解散や清算など…これから株式会社での起業を検討している方はしっかり理解しておきたい内容だ。

3編:持分会社(第575条~第675条)

3編では、持分会社にまつわる規定が定められる。持分会社とは、株式会社と並ぶ会社類型のこと。合名会社、合資会社、合同会社の3つの種類の会社を総称する。

4編:社債(第676条~第742条)

募集社債に関する事項や社債譲渡、社債権者集会に関する事項における規定が定められている。社債は、株式とは異なり、発行したとしても会社の支配関係に影響を与えるものではない。そのため550ある2編の条文と比較しても、4編の条文の数は67と極端に少なくなっている。          

5編:組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転(第743条~第816条)

会社の組織再編行為についての規定が定められている。組織変更、吸収合併と新設合併、会社分割(吸収分割と新設分割)、株式交換や株式移転の手続きなどがある。

6編:外国会社(第817条~第823条)

外国会社が日本において取引する場合の規定が定められている。日本で継続して取引をしたい場合は、日本における代表者を決めて、その代表者のうち1名は日本国内に住所を持たなければならないとされている。

7編:雑則(第824条~第959条 )

訴訟や登記、公告に関する規定が定められている。訴訟を請求できる期間や被告の定義、請求に対する容認判決が出た場合の効力が無効になることや原告が敗訴した場合の損害賠償責任など会社に関する訴訟のルール、会社について登記しなければならない事項、登記すべき事由が発生した場合の申請期限(登記期間)などがある。

8編:罰則(第960条~第979条)

各種罰則が定められている。例えば、「取締役等の特別背任罪」では、懲役10年以下もしくは1,000万円以下の罰金または両方が科される。その他にも会社財産を危うくする罪、虚偽文書行使等の罪、株式の超過発行の罪、取締役の贈収賄罪、過料などに関する規定がある。

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会社法 取締役会の役割

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従来の商法が改正され、現在の会社法では株式会社に必ずしも取締役会を設置する義務はない。しかし突発的な事態にもフレキシブルに対応していくためには、取締役会を設置したほうが良いだろう。ここでは、取締役会の役割について解説していく。

取締役会とは、株式会社の業務執行の意思決定機関。株式総会で任命を受けた3名以上の取締役によって構成される。取締役の中から最少で1名が「代表取締役」に選任され、通常はその人が社長として会社のトップとなる。取締役会を設置している株式会社は、原則として、取締役会の業務を監視する監査役を置く必要も生じる。

上場企業には取締役会の設置が義務付けられているので、取締役会を設置していない会社も、上場準備に入った段階で取締役会を設置する必要がある。

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「会社法」は会社を経営する上で大切な法律

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今回は、会社法の概要、また重要なポイントである会社法と取締役会の関係性も解説した。「法律」と聞くとややこしく感じるかもしれないが、会社法は会社を健全に経営していくためには欠かせない知識。少しずつ読んで理解していこう。

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税理士・公認会計士コメント

現在では、営利企業のほとんどが株式会社か合同会社形態で事業を始める。
いずれもその成立根拠を会社法に求めており、運営から意思決定方法、権利、対外的な責任、各種利害関係者の調整に関しては規模の大小にかかわらず会社法で規定されている。
したがって、会社法はこれから起業する人すでに会社経営をされている人にとって必須の法律になるため、一度は触れておきたい。

2020年5月31日経営者の課題と解決策