フランチャイズで起業する場合の融資手段とは!?融資が通りやすい人の特徴も解説
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近年、終身雇用が当たり前の時代ではなくなってきている。その背景から、会社に頼るのではなく、自分で事業をおこなうために起業する人が増えているのだ。
起業の手段は数多くあるが、その中の一つが「フランチャイズ」である。しかし、「名前は聞いたことあるけどよくわかっていない」「フランチャイズで起業したいけど融資は受けられるの?」といった疑問も多いだろう。
そこでこの記事では、フランチャイズで起業する場合の融資について紹介する。融資が通りやすい人の特徴や受ける際の注意点も紹介するので、自分に当てはまっているのか確認してみよう。
目次
フランチャイズとは
フランチャイズは、ビジネスモデルの一つである。
フランチャイズの仕組みは、起業したい人がフランチャイズに加盟することで、フランチャイズ本部から店舗の経営権をもらえる。起業したい人は、その対価として金銭を支払うというのだ。
ゼロから起業した場合、当然ながら何の知識もない状態ではじめるため効率が悪い。しかし、フランチャイズで起業した場合、経営に関するノウハウも一緒に提供される。
起業をしたい人は、店舗を持ちながらノウハウも身に付けられるフランチャイズがおすすめだ。
フランチャイズ起業する場合の融資手段とは
フランチャイズで起業をする場合、通常の起業と同様に多額の資金が必要となる。多額の資金を自己資金でまかなうのは難しいため、融資を利用する人が多いだろう。
フランチャイズで起業する場合は以下の融資手段が考えられる。
- 日本政策金融公庫
- 銀行融資
- 補助金制度
それぞれの手段について解説していこう。
①日本政策金融公庫から借りる
日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資している株式会社のことだ。預金等は一切おこなわず、中小企業への融資や地域の活性化といった経済政策をおこなう。
フランチャイズ目的で融資をする場合は、「新創業融資制度」が利用できる。
新創業融資制度は、新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金を必要とする人のための制度だ。融資限度額は3,000万までである。
民間ではやりにくいと思っている融資でも積極的に対応してくれるのが特徴だ。
②銀行融資を利用する
融資と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが銀行での融資であろう。地方銀行やメガバンクなどの金融機関では、目的や利用用途に応じた額を融資している。
個人で起業する場合は、融資の審査が厳しいとされている。しかし、フランチャイズで融資をする場合、本部があることで信頼につながり、個人よりも融資を受けやすいのが特徴だ。
銀行融資について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
③制度の活用
国や地方公共団体では、補助金や助成金といった原則返済不要のお金を支給してくれる制度がある。
これらの制度は、特定の資格を満たせば利用できるものだ。しかし、実際にお金をもらえるタイミングは費用が発生した後になってしまうため、開業前の資金調達としての利用ができない。
ある程度の資金力はあるが今後の運用資金を抑えていきたい、という人に向いている制度となるだろう。
補助金と助成金について知りたい方は、以下の記事を参考にしてほしい。
フランチャイズ起業の融資手段は「日本政策金融公庫」がおすすめ
先ほど紹介した融資手段の中でも、フランチャイズで起業するなら「日本政策金融金庫」がおすすめだ。
ここでは、日本政策金融金庫が他の融資手段よりも優れている点を解説しよう。
審査が通りやすい
メリットの1つ目は、「審査が通りやすい」ことだ。
日本政策金融公庫には、新規事業者を始める方に向けた新創業融資制度がある。この制度は、新規事業者を応援する制度となっているため、条件さえ達成していれば誰でも利用できるのだ。
一方で、金融機関の審査の場合は、起業目的の融資に対して慎重な部分が多いため、日本政策金融公庫よりも審査が通りにくい。
無担保・保証人不要
メリットの2つ目は、「無担保・保証人不要」であることだ。
新創業融資制度は、原則として無担保・保証人不要である。フランチャイズ開業にあたって担保がない、保証人が見つからない方でも利用できる制度となっている。
融資までの期間が短い
メリットの3つ目は、融資までの期間が短いことだ。
日本政策金融公庫の融資制度は、融資実行までにかかる期間が3週間〜1ヶ月程度と期間が短い。銀行融資は、日本政策金融公庫よりも審査が厳しいため、期間も長くなる傾向がある。
フランチャイズ起業の融資が通りやすい人の特徴
フランチャイズの融資では、以下の特徴があると審査に通りやすい。
- 自己資金が多い
- プロフィール欄が充実している
- 過去の経験が活かせる事業である
それぞれの項目を解説していこう。
プロフィール欄が充実している
特徴の1つ目は、プロフィール欄の充実だ。
プロフィール欄とは、今まで自分がどういう経歴なのか、なぜ事業を始めたいのか、ターゲット層はどこに置いているのか、といった詳細な情報である。
プロフィール欄が充実していると、審査時に事業の見通しが立ちやすいため通りやすくなる。
自己資金が多い
特徴の2つ目は、自己資金が多いことだ。
融資をする場合、ある程度の自己資金が必要になる。特に、新創業融資制度を利用する場合は、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる人が条件となっているのだ。
銀行融資では、自己資金がない状態で融資実行をしてしまうと、事業がうまくいかなったときに返済能力がないという判断になってしまう。
融資をする場合は、最悪でも創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意しておこう。
過去の経験が活かせる事業である
特徴の3つ目は、過去の経験が活かせる事業であることだ。
全ての融資では、お金を貸したら戻ってくるのかという観点で審査をする。もし、今まで経験のない業種で起業をする人の場合、どうしても審査は厳しくなりがちだ。
しかし、今まで経験したことのある業種で起業する場合は、ノウハウ等が蓄積されているという判断になり、融資にも通りやすくなる。
フランチャイズで起業する場合は、自分が経験してきた業種を選定するのも良いだろう。
フランチャイズ起業で融資する場合の注意点
フランチャイズで融資する場合には、以下の注意点が必要だ。
- 未経験の業種は融資が厳しい
- 小口の融資しか認められない
- 本部の財政状況によっては融資が受けられない
それぞれについて解説していこう。
未経験の業種は融資が厳しい
1つ目の注意点は、未経験の業種だと融資の審査が厳しくなることだ。
融資の審査では、過去の経験が重要である。過去の経験がある場合、事業に関する知識を活かせるため成功する可能性が高いからだ。
未経験の業種でフランチャイズをおこなう場合は、経験をカバーするためにもきちんと作り込んだ資料を提出しよう。
小口の融資しか認められないことも
2つ目の注意点は、小口の融資しか認められないケースがあることだ。
新規で融資を申し込む場合、融資を受ける側としては実績がないため資金を融資しにくい。そのため、もし審査がダメだった場合は、借り入れして返済ができるという実績作りのためにも、小口で融資を申し込むと良いだろう。
本部の財政状況によっては融資が受けられない
3つ目の注意点は、本部の財政状況によって融資を受けられない可能性があることだ。
フランチャイズで融資を受ける場合、フランチャイズ本部の財政状況も審査の対象となる。なぜなら、フランチャイズ本部が経営難で破産する状況になった場合、融資したフランチャイズ加盟店にも影響が出るからだ。
特に、ここ最近でフランチャイズ本部の返済が遅れているなどの金融事故がある場合は、審査が非常に厳しいため注意しよう。
まとめ:フランチャイズ起業で融資をするときは念入りなご準備を
フランチャイズは、経営しながらノウハウを学べるため、起業をしたことがない人にとってうってつけのビジネスモデルだ。
起業するためには、創業資金が必要となるため、今回紹介した手段を使って資金調達をしてほしい。その際には、審査に通りやすい人の特徴や注意点を意識することで、目標としている資金調達ができるはずだ。
監修税理士・公認会計士からのコメント
フランチャイズで融資する場合は、プロフィール欄の充実や自己資金といった事前準備が重要です。特に、未経験の業種で挑戦する方は、事前準備をきちんとした上で融資の申し込みをしましょう。