融資が受けられない!融資以外で資金を調達する方法とは?

2020年12月15日

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

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  • 設備投資をしたい
  • 事業を拡大したい
  • 資金繰りが厳しい

など、会社経営をしていると事業資金が必要になることがある。

資金調達の方法として、まず考えられることが融資を受けることだ。

融資は、銀行やローンなどの審査により受けられない場合もある。さらに、安易に融資を受けすぎて資金繰りが苦しくなることも考えられる。

つまり、融資以外の資金調達の方法を知っておくことは安定した会社経営をしていく上で大切なことなのだ。

ここでは、融資以外の方法で、資金を調達する方法を詳しく解説していく。

本記事を読むメリット

・融資以外の資金調達方法がわかる

融資以外で資金を調達する方法はある?

資金調達と言えば、一般的にはまず融資を考える方が多いのではないだろうか。

しかし、あまりにも安易に融資に頼りすぎるのは危険だ。

健全な会社経営のためにも、融資以外の資金調達方法を知っておくことが大切だ。

融資以外の資金調達方法には、次のような方法がある。

  • 助成金・補助金制度の活用
  • クラウドファンディング
  • ファクタリングを利用
  • リースバック
  • 出資や増資をしてもらう
  • 第三者割当からの増資
  • 身近な人からの借り入れ

それぞれ解説する。

融資に関して詳しく知りたい場合は下記の記事を参考にしてほしい。

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助成金・補助金制度の活用

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融資を受けられない場合は、事業を行っている地域の助成金を探してみよう。

例えば東京都の場合、以下のような助成金制度がある。

  • 令和2年度 TOKYOイチオシ応援事業-地域の魅力を活かした新ビジネス創出事業-
  • 製品開発着手支援助成事業

助成金や補助金を受けるためには、一定の条件をクリアする必要がある。補助金の使用使途の報告の義務もあり、手間もかかる。

しかし、助成や補助を受けた場合、返済義務のない資金が調達できるのだ。条件を確認し、あてはまればうまく活用しよう。

助成金・補助金制度のメリット

  • 返済義務がない

助成金・補助金を受ける最大のメリットは、なんといっても最大のメリットだ。補助金の使用使途の報告など、手間がかかることを考えてもこのメリットは大きいだろう。

助成金・補助金のデメリット

  • 一定の条件を満たす必要がある
  • 経費の全額が補助されるわけではない
  • 助成金や補助金の使途報告の義務がある

対してデメリットは、条件にあてはまらないと助成金や補助金を受けることができない。条件はよく確認しよう。助成金や補助金は金額が決まっており、必ずしも経費の全額が補助されるわけではない。さらに、本当に目的通りに使用したのかを報告する義務がある点にも注意しよう。

こんな場合におすすめ

助成金・補助金の条件にあてはまる

助成金・補助金の条件を確認し、あてはまる場合は検討してみよう。助成金や補助金の情報には常にアンテナを張り、チャンスを逃さないことも大切だ。

クラウドファンディング

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クラウドファンディングは、新しい資金調達方法として注目を集めている。

インターネットを通じて、不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同してもらえると資金が集まる仕組みだ。

クラウドファンディングには、リターンの方法によって3種類がある。

  • 購入型クラウドファンディング
  • 寄付型クラウドファンディング
  • 金融型クラウドファンディング

購入型は市場に出回っていないサービスや権利をリターンとして設定。寄付型は、リターンはない。社会貢献を目的として企画に多い。金融型は、金銭的なリターンが発生する投資型だ。

国内におけるクラウドファンディングは、ほとんどが購入型。自分の事業内容と合わせて検討しよう。

なお、クラウドファンディングについては、下記の記事で詳しく解説している。

クラウドファンディングのメリット

  • 不確実性の高い事業でも資金調達ができる
  • 成功報酬制なので資金がかからない
  • 宣伝効果があり、ファンの獲得ができる
  • 多額の資金調達の可能性がある

クラウドファンディングは、たとえ夢のような不確実性の高い事業でも、賛同を得ることができれば資金を調達できる。

事業を公開し人気が集まれば、宣伝効果もありファンの獲得や多額の資金調達の可能性もある。クラウドファンディングで思った以上に資金調達ができたという話も良くある。

さらにクラウドファンディングは、成功報酬型なので利用するだけでは資金がかからない。プロジェクトが期限内に目標資金調達額に達成した場合のみサクセスとなり、資金提供を受けることができる。

集まった金額の中から手数料を支払うが、手数料はクラウドファンディングを行うサイトによって異なる。クラウドファンディングを利用する際には、手数料をよく調べよう。

クラウドファンディングのデメリット

  • 資金が集まるのに時間がかかることがある
  • 他人にアイデアを盗用される可能性がある
  • 企画が失敗すると信用を失う可能性がある

クラウドファンディングは、目標期限があるがあまりにも短いと資金が集まらない可能性がある。資金集めに時間がかかるのはデメリットだろう。

さらに、クラウドファンディングでは、事業の賛同者から資金を集める。アイデアの公開は、アイデアの盗用のリスクがある。クラウドファンディングにアイデアを公開したからと言って、自分のアイデアである証明にはならないことは覚えておこう。

クラウドファンディングの活用は、アイデアの盗用リスクを加味してもメリットが大きい方法なのだ。ただし、企画が失敗すると信用を失う可能性もあるので、慎重に検討することが大切だ。

こんな場合におすすめ

  • スモールビジネスを始めたい
  • アイデアを具体化させたい

クラウドファンディングは、スモールビジネスを始めたい、具体化したいアイデアがある場合におすすめだ。資金調達が難しい場合でも、資金調達できる可能性があるのがクラウドファンディングの最大のメリットなのだ。

ファクタリングを利用

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ファクタリングは、保有している売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうこと。

まだ入っていない売上金を資金に変えることが可能だ。借り入れではないので、決算書や信用情報に履歴も残らない。売掛金さえあれば、最短1日で資金調達ができる方法だ。

売掛金を使った資金調達の方法は、国も認めた正当な資金調達の方法だ。ただし、掛け目により減額された金額が現金化される。しかしこの減額された金額は、債権回収ができた段階で返還されるので安心しよう。

ファクタリングのメリット

  • 即日資金調達ができる
  • 審査方法が銀行融資と異なる
  • 売掛先が破綻しても支払の必要がない
  • 決算書や信用情報に影響しない

ファクタリングのメリットは資金調達が早いことだ。申し込みをして、審査に通ればすぐに売掛金の資金化ができ、銀行よりも早く資金調達ができることもある。審査方法は銀行とは異なるので、信用情報に不安がある場合でも問題ない。

ファクタリングを利用しても借入金が増えるわけではないので、決算書や信用情報に影響を与えることはない。売掛金は、ファクタリング先に移管するので売掛先が破綻したとしても支払いの必要はないのもメリットだ。

ファクタリングのデメリット

  • 手数料がかかる
  • 掛け目が発生する
  • 債権譲渡登記が行われることがある

ファクタリングのデメリットは、手数料がかかることだ。ファクタリングの金額や契約の方法により手数料は異なるが、一般的に1~20%程度かかる。ファクタリングは、売掛金額全額が資金化できるわけではなく、掛け目が発生する。

例えば、1000万円の売掛金を売却する場合で、掛け目80%であれば、すぐに現金化できる金額は800万円となる。残りの200万円は留保となり、ファクタリング会社が売掛金の回収をした後に手数料を差し引かれ返還される仕組みだ。

ファクタリングを利用すると、債権譲渡登記が行われる可能性がある。登記を行うと取引先に知られる可能性や今後の融資審査に影響する可能性もある。登記は安易に行わない方がよい。ファクタリング会社によっては手数料が高い代わりに登記不要を謳っている業者もある。ファクタリングを利用する際には、慎重に検討しよう。

こんな場合におすすめ

  • 売掛金を現金化したい
  • すぐに資金調達したい

持っている売掛金をもとに、とにかく早く資金調達したい場合にはおすすめだ。手数料の高さや登記による悪影響の可能性もあるので、一時的な資金調達の方法と考えるのが無難だ。

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リースバック

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リースバックは、保有している不動産や機械、設備機器などを金融業者やリース会社に売却し、その資産をリース契約し利用し続ける資金調達方法だ。

資金化しても、リース料の支払い以外は全く同じように使い続けることができるので、会社経営に与える影響は少ないだろう。

また不動産を売却すると、バランスシートの固定資産税から土地や建物が減少し、借入金も減少する。よって自己資本比率が上昇し、決算書の改善にもつながる。

リースバックのメリット

  • 現金を調達できる
  • そのまま資産を使い続けられる
  • 高額な資金調達が可能
  • 節税効果がある
  • 買戻しも可能

リースバックは、自分の資産を現金化でき、売却してもそのまま資産を使い続けることができるので、これまでの状況をあまり変えることなく高額な資金調達が可能だ。

不動産を売却した場合、固定資産税の支払いがなくなるので節税効果もある。将来的には、買い戻すこともできるので、資産を使いながら高額な資金調達がしたい場合はメリットが大きい。

リースバックのデメリット

  • 売却額は低め
  • 所有者の名義が変わる
  • リース料が発生する

リースバックの場合、一般的な売却額よりも低めの傾向がある。通常の市場価格の70~90%になると考えておこう。所有者の名義はリースバック会社へと変更になる。

リース料は通常の家賃相場よりも高めの傾向になり、買い戻す場合は、売却価格よりも高くなるのもデメリットだ。

こんな場合におすすめ

  • 現金が必要
  • 決算書を改善したい
  • 後継者が不在

高額の現金がすぐに必要な場合や、節税や借入金の減少による決算書の改善をしたい場合、リースバックはおすすめだ。後継者が不在で、資産を残す必要ない場合にも資金調達の方法として選択肢に入るだろう。

出資を受ける

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出資は、事業に期待できると判断された企業に対して、株式を通じて投資家やベンチャーキャピタルから資金を出してもらうことである。出資された金額は返済する必要がない。

また株式の配当金も義務ではなく、経営状況に応じて毎期検討できる。出資は、返済や利息が不要で経営者にとって魅力的な方法だ。しかし、事業に投資してくれる出資者に出会えないと実現できない。

株式の配分が変わることで、新しい株主が経営に口出しをすることもあり、自由度が下がる可能性もある。

出資を受けるメリット

  • 返済の必要がない
  • 利息の支払いが不要
  • 担保や保証人の必要がない

出資してもらえると、借入金ではないので返済の必要がない。もちろん利息の支払いもないので、経営者にとってメリットは大きいだろう。担保や保証人も不要で資金調達ができるので、投資してくれる投資家に出会えた場合はいい方法だ。

出資を受けるデメリット

  • 経営の自由度が下がる
  • 経営判断が難しくなる

投資をしてもらうと株式の配分が変わり、株主に経営の口出しをされ、自由度が下がる可能性がある。株式を分け合うので経営権の譲歩も必要になる。経営の自由度を求める場合は、慎重に検討したほうがよい。

こんな場合におすすめ

  • スタートアップ企業
  • ベンチャー企業

スタートアップ企業やベンチャー企業のように、事業を始めたばかりの場合は出資による資金調達はおすすめだ。事業を始めたばかりであれば、資金調達に悩むことも多く、その場合に相性がいいのが出資による資金調達である。

第三者割当からの増資

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企業が新しく株式を発行し、その株式を第三者に引き受けてもらい資金を調達する方法だ。第三者割当は、未上場企業などの株式を公開していない企業でも資金を調達できる可能性がある方法として注目されている。

株式の引き受け先は、縁故者であることが多いので深いつながりが持てる。増資により、企業の資本金も増えるので社会的な信用も向上する。

最低でも登録免許税が3万円かかり(登録免許税は増資金額の7/1,000)、さらに変更登記を司法書士などに依頼した場合は報酬も必要。第三者割当が完了するまではいくつかの手順があるので、時間と手間がかかることを覚えておこう。

第三者割当からの増資のメリット

  • 返済の必要がない
  • 業務提携ができる
  • 企業の信用が向上する

第三者割当からの資金調達は、返済の必要がない。新しく株式を引き受けてくれる相手先とのより深いつながりも期待でき、業務提携ができることもある。増資をすることにより、企業の資本金も増え社会的な信用も上がるので、銀行から融資を受ける際にも有利になる。

第三者割当からの増資のデメリット

  • 持ち株比率の低下や株式の希薄化
  • コストや手間がかかる

新しい株式を発行し、引受先を探すので、持ち株比率が下がる。新株を発行するので、1株あたりの株価が下がることにより、企業の株価が下落するのが一般的だ。しかし、株価の引受先が大企業などの場合、メリットがあるとみなされその期待値から株価が上がることもある。

第三者割当はコストと手間がかかる。完了するまでに手続きが多いので時間がかかるのはデメリットだ。

こんな場合におすすめ

  • 返済義務のない資金を調達したい
  • 他社との関係を深めたい

第三者割当による増資は、他社との関係を深めたい場合は特におすすめだ。新株の引受先が大手企業などの場合、自社の期待値も上がり企業の信用も上昇する可能性があるのだ。

身近な人からの資金調達

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銀行やローンなどから融資を受けられない場合、身近な人からの借り入れも検討しよう。

ただし、身近な人からの借り入れの場合、注意点もある。

まず、身近な人に借りる場合でも、きっちりと借用書や金銭消費貸借契約書を交わし、利息も設定しよう。現金を借りることはトラブルにもなりかねないので、最初にしっかりと契約しておくことが大切だ。

現金を借りる場合は、銀行振込のように記載を残すようにしよう。記載がないと、後になって金銭授受の証明ができなくなる可能性がある。

家族からの融資の場合、返済はいつでも可能と曖昧にしていると贈与とみなされ、贈与税がかかることがある。人間関係を良好に保つためにも、借用書を交わしきちんと返済していこう。

身近な人からの資金調達のメリット

  • すぐに資金調達ができる
  • 自己資金とみなされる場合もある
  • 利息が低い

身近な人が応援してくれている場合はすぐに資金調達ができるメリットがある。親族からの借り入れの場合、自己資金とみなされ、銀行の評価が上がり融資を受けやすくなることもある。

身近な人からの借り入れの場合、銀行やローン会社に比べ利息は低い可能性が高い。

身近な人からの資金調達のデメリット

  • 関係悪化の可能性
  • 事業が失敗した場合は迷惑がかかる

身近な人からの借り入れの場合の最大のデメリットは、関係悪化の可能性だ。金の切れ目が縁の切れ目ということもあるので、借用書を作りしっかりと返済していくことが重要だ。

最大限努力をしたとしても、事業が失敗する可能性がある。その場合は、迷惑をかける可能性もあることを考えておこう。

こんな場合におすすめ

  • 自己資金が少ない
  • 他の資金調達方法が見つからない

親族からの借り入れは、銀行に自己資金とみなされる場合がある。自己資金が少なく、銀行からの融資を受けられない場合、親族からの借り入れを検討してみよう。

まとめ:融資以外の方法でも資金調達はできる!自分に合った方法を見つけよう

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資金調達は、事業を行う上で経営者にとって重要な問題だ。

資金調達の方法は、まず融資と考えがちだが融資以外にも方法はある。安易に融資のみに頼ってしまうと、返済に追われ一気に資金繰りが悪化してしまう可能性もある。

資金調達の必要がある場合は、融資だけにとらわれず多角的に検討しよう。

そのためにも、今回紹介した融資以外の資金調達の方法を知っておくことが大切なのだ。

この記事を参考に、自分に合った融資以外の資金調達の方法を検討してほしい。

監修税理士・公認会計士からのコメント

資金調達をする際の方法として、融資以外には投資という方法が考えられますが、実際にはそれ以外にも様々な資金調達の方法があります。その時に気を付けなくてはいけないのが会計上の処理です。わからない部分はそのままにせずに税理士に相談するのがおすすめです。

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Posted by taxtech-editor