喫茶店の開業資金はいくら?費用の内訳&安く抑えるコツ5選【2020】

2020年12月17日

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本記事では、喫茶店・カフェの開業に必要な資金の内訳、初期費用を安く抑えるコツを総合的に解説する。

初期費用として見込んでおく物件取得費、内装費や備品・宣伝広告費を知り、開業の準備を進めていこう。

【この記事の読了メリット】
・開業費の内訳を把握
・店舗スタイル毎の予算を知る
・開業費を抑えるコツを学ぶ

創業前に資金の調達方法を抑えておきたい方は、こちらの記事も参考にして頂きたい。

目次

カフェ・喫茶店の開業と「費用の内訳」

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実際にカフェを開業する際に必要な費用を項目別に見ていく。

「物件取得費」家賃相場・敷金礼金の目安はいくら?

東京/10坪大阪/13坪兵庫/11坪
家賃(1カ月分)20万円16万円12万円
坪単価2万円約1.2万円約1.1万
前家賃120万円/6カ月96万円/6カ月分24万円/2カ月分
敷金40万円/2カ月32万円/2カ月分36万円/3カ月分
礼金80万円/4カ月32万円/2カ月分24万円/2カ月分
仲介手数料20万円16万円12万円
合計260万円/13カ月分176万円/11カ月分96万円/8カ月分
表引用元:https://www.re-live.com/cafe/openingcost-cafe/

物件取得費は、もちろん地域や立地によって大きく変わるが、上記表の価格帯は一つのイメージとして参考にして頂きたい。

兵庫と東京の例では、2倍以上の差額になっているが、都心(東京・大阪)の前家賃が半年分であることが大きく関係している。

都心はテナントの入れ替わりが激しいため、短期での閉店した際に貸し手側が困らないよう、予め多く要求されるということだ。

これによって初期費用のハードルが上がるので、資金力が一定以上ないと物件契約ができないようになっている。

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「内装工事費・設計費」開業費が大きく変わるポイントは?

【15坪の居抜き物件の内装費の一例】

各工事の内訳と費用金額
総額342万円
解体工事27万円
廃棄処分12万円
養生16万円
塗装工事27万円
床張替え工事40万円
壁クロス張替え工事41万円
建具工事20万円
内装工事75万円
看板工事34万円
その他諸経費50万円
データ引用元:https://reform-market.com/office-interior/contents/expenses-cafe

上記一例では、総額342万円が費用として掛かっている。

居抜き物件で300万円台、スケルトンであればこの1.5倍近い金額が必要になるだろう。

この中でも、解体・養生・塗装・クロス張替え・床張替えなどは、自分自身でDIY工事を行うと安く済む。
ただし、工事期間が長くなるとその分家賃が無駄になってしまうため、スケジュールと相談して決めるべきだ。

「設備費用」厨房・オーブン設備の価格帯と目安とは?

厨房設備の価格例金額
合計450~500万円
2槽シンク(1000×600㎜)90万円
1槽シンク(500×500㎜程度)20万円
手洗器(L-5)30万円
冷凍冷蔵庫(300ℓ)40万円
コールドテーブル(120ℓ)25万円
製氷機(40㎏前後)40万円
瞬間湯沸器(5号)15万円
作業台(甲板はステンレス)5万円
エスプレッソマシン(全自動)200万円
ガスコンロ(2口)10万円
電子レンジ・オーブン(家庭用)5万円
パン等のショーケース(ケーキの場合冷蔵)20万円
データ引用元:https://reform-market.com/office-interior/contents/expenses-cafe

業務用のエスプレッソマシンが最も高額になる。
この部分はコーヒーの品質を大きく左右する機械になるので、妥協無く選びたいところだ。

中古品やアウトレット品を購入することで経費削減を行えるが、オーバーホールや商品保証などはよく確認しておくことだ。

居抜き物件であれば、この中のいくつかが既に残置物としてある可能性が高く、経費削減になるだろう。

「備品費用」机・椅子・レジ・食器などの目安価格って?

備品購入例金額
合計48万円
テーブル4卓
椅子16脚
(中古)
28万円
POSレジ
(中古)
10万円
食器等10万円
データ引用元:https://www.re-live.com/cafe/openingcost-cafe/

店内備品の核種を揃える費用として、50万近くは見込んでおく必要がある。

備品は全て中古で揃えることも可能なので、比較的安価に。
ただし、中古品はまとまった数を確保することが難しいので、注意しておきたい。

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「広告宣伝費」チラシ・看板などの集客費用はいくら必要?

宣伝広告費金額
合計28万円
ホームページ5万円
チラシ
(ポイントカード)
3万円
看板20万円

公式HPの制作や、チラシやポイントカード作成などに必要な宣伝広告費は、意外と忘れがちである。

チラシについては適宜作ればよいが、看板や公式HPは半永久的に集客効果をもたらしてくれるため、予算を確保してオープン前から公開したいところだ。

商品紹介やメニュー掲載など、思ったより手が掛かるので早めに取り掛かるべき仕事の一つ。

「雑費」消耗品・各種申請費用などの費用目安とは?

雑費/消耗品費金額
合計10万円
各種申請費用4万円
包装資材/消耗品6万円

雑費は文字通り、お店の営業に関する諸経費に充てられるカテゴリだ。

届け出申請に関係する手数料や交通費、テイクアウト用の梱包素材やカップも含まれる。

大体10万円ほど見込んで、余力を持たせておくとよい。

「仕入れ費用」コーヒーの原価率の設定目安って?

仕入れ費例:1杯/500円
原価率(平均)10%前後
1杯50円(目安)

コーヒー1杯の原価は、おおよそ10%~15%程度が平均的になるだろう。

拘っているお店であれば20%~30%に設定しているケースもあるが、基本は10%前後。

毎月の仕入れ費用については、上記目安から考えて目標売上の1割~2割をイメージしておこう。

「運転資金」維持費はいくら見積もればいいの?

運転資金金額
家賃/生活費月30万円
8~12か月分240~360万円

開業後の運転資金は、家賃/生活費の8~12か月分くらいは最低限用意しておきたいラインだ。

オープン後は赤字がしばらく続くことが予想されるので、経営が上向くまで耐えられる資金は絶対に必要。

緊急時には人件費、仕入れ費用などを賄えるように余裕を持っておきたい。

カフェ・喫茶店経営を始める手段

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カフェ・喫茶店経営を始めるには大きく分けて3つの方法がある。

それは、「未経験からのゼロ創業」「業界経験をして独立創業」「FC加盟してけて開業」の3手段。

各開業方法について説明しよう。

開業前に用意すべき事業計画書については、下記記事で詳しく説明している。

ゼロからカフェ・喫茶店を開業する

ノウハウが全くない状態からスタートするため、店舗や経営について全て自己決定する必要がある。

主に決めなくてはいけないことは下記

【カフェ・喫茶店開業で計画すべきこと】

  • 店舗のコンセプト
  • 資金調達
  • 物件取得・立地選定
  • 内装/外装の計画と発注
  • 店舗のキャパシティーの計画
  • 従業員やオペレーションの策定
  • 提供メニュー
  • 提供品に合わせた食器の準備
  • 仕入れ先の決定
  • 広告宣伝戦略の設計

ノウハウがない分、一から全て作り上げる努力が必要。
ただし、これらの計画を練って資金があれば、後は必要な申請を行って開業に踏み切るだけだ。

友人・知人に業界経験者が居る場合は、アドバイザーとして意見を伺うと、よりスムーズに開業に向けて準備できる。

社員からカフェ・喫茶店を開業する

実際に業界を経験してから独立する方法。

給与を得つつ店舗運営のノウハウを吸収できるため、開業に向けての準備としては効率が良い。
店長職に昇格すれば、一国一城の主として店舗運営を全面的に学べる。

後は経営・戦略に関する知識を勉強し、独立を目指すことで失敗しにくい開業が可能だろう。

フランチャイズによるカフェ・喫茶店の開業

FC加盟し、バックアップを受けながら開業する手段。

店舗運営のノウハウや仕入れ先の提案、店舗立地の選定まで行うFCもあり、自由度は低くなるが未経験でも失敗しにくい開業を目指せる。

【喫茶店・カフェ系FCの支援内容】

  • ブランド使用許可
  • 宣伝広告の支援
  • ノウハウ研修の実施
  • 従業員向けマニュアルの提供
  • 資金調達の支援
  • 開業後のコンサルタント
  • 出店場所の調査・選定
  • 仕入れ先の紹介
  • 在庫管理・レジ管理システムの提供
  • 内装・外装工事業者の紹介等

ロイヤリティとして売上に対して割合報酬を収めることになるが、その分支援内容は強力なラインナップ。

ブランド名で集客できるFCの場合、ロイヤリティが高くなる傾向にあるので要検討だ。

カフェ・喫茶店「スタイル別の強みと開業資金例」

カフェや喫茶店はスタイルによってメリットやデメリットがある。

そこでこの章ではそれぞれの特徴を解説する。

「独立店舗カフェ」開業例とメリット・デメリット

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【独立店舗カフェの開業例】

項目金額(万円)備考
敷金または保証金15万円東京都内、20坪ほどの物件を想定。家賃の1か月分。
家賃180万円家賃の1年分。
礼金15万円家賃の1カ月分。
仲介手数料15万円家賃の1カ月分。
内装工事諸費用600万円坪単価30万円で計算。
設備・備品導入費用300万円シンク、厨房機器、エスプレッソマシン、オーブン、空調設備、冷蔵庫、家具などを想定。
消耗品費55万円材料費、食器、包装資材などを想定。
広告宣伝費20万円ショップカード、チラシ、HP作成費用など。
運転資金300万円6カ月分の売上を想定。
合計1,500万円
データ引用元:https://www.tabisland.ne.jp/column/2019/0802.html

メリット

独立店舗での開業は、店内の外装や内装・コンセプトの幅が広いので、自分好みの理想の店舗を作れる。

店内レイアウトや、提供メニューの開発も自分次第、好きなように経営できるのは独立店舗ならではの魅力。

デメリット

デメリットは初期費用が高額であること。

最低でも1000万円以上必要になるので、ハードル自体は高い。
融資を受けて開業する場合、上向くまでは生活が逼迫するため、精神的な強さやチャレンジ精神が求められる。

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「自宅型カフェ」開業例とメリット・デメリット

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【自宅型カフェの開業例】

項目金額(万円)備考
内装工事諸費用300万円10坪のスペースを想定。坪単価30万円として想定。
設備・備品導入費用150万円シンク、厨房機器、エスプレッソマシン、オーブン、空調設備、冷蔵庫、家具などを想定。
消耗品費40万円材料費、食器、包装資材などを想定。
広告宣伝費10万円ショップカード、チラシ、HP作成費用など。
運転資金200万円6カ月分の売上を想定。
合計700万円
データ引用元:https://www.tabisland.ne.jp/column/2019/0802.html

メリット

物件取得費が不要で、内装工事費も比較的安価で開業可能。

通勤時間もないので、働く上では良い環境である。
独立店舗型は1000万円以上必要だが、自宅型であれば300万円以上安くスタートするので、ハードルは低い。

賃料の発生もなく、週末起業などで営業している例もある。

デメリット

自宅が職場になることへのストレスが真っ先に挙げられる。

不特定多数が出入りするため、衛生面や防犯上の懸念事項は考えねばならない。
店舗レイアウトや内装が制限されるので、提供メニューなども限られてしまう部分はデメリット。

「移動型カフェ」開業例とメリット・デメリット

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【移動型カフェの開業例】

項目金額(万円)備考
車両費200万円車両取得費・改造費・厨房機器導入費の合計。
消耗品費40万円材料費、食器、包装資材などを想定。
広告宣伝費10万円ショップカード、チラシ、HP作成費用など。
運転資金150万円6か月分の売上を想定。
合計400万円
データ引用元:https://www.tabisland.ne.jp/column/2019/0802.html

メリット

物件取得費、内装工事費が必要ないのは大きな魅力の一つ。
とにかく開業費が掛からないので、副業でも手軽に始められるビジネスだ。

移動しての営業可能なので、許可さえ貰えればどこでも商売が行えるというのもポイント。
学際への出店やイベント、お祭りへの出張もフットワーク軽く参加できるのは強みだろう。

デメリット

車載装備を改造してキッチンカーにするため、厨房設備が限られている。
よって、提供メニューや在庫数も制限されてしまう部分はネックだ。

見落としがちだが、天候によって大きく売り上げが左右されてしまう部分も考慮すべき懸念点の一つ。

カフェ・喫茶店の開業費を安く抑える5つのポイント

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補助金&助成金制度を利用し自己負担を軽減させる

新規事業の開業時に、融資で資金調達を行う人も居るが、自己資金負担を軽減させる補助金・助成金の制度利用も視野に入れると良いだろう。

飲食店等で使える補助金・助成金の内、最も知名度が高いのは下記2種

1.創業補助金
上限を200万円とし、創業時に掛かる費用の2/3までを国が負担してくれる仕組み。
店舗で開業する場合、500万円を超える初期費用が掛かるため、満額受領できる可能性が高い。
開業するのであれば、真っ先に視野に入れたい補助金である。

2.新ものづくり補助金
創業補助金よりも難易度が高くなるが、「独自のコンセプト」で世間から評価されるデザイン性・斬新さを持つものであれば、最大1000万円・経費の2/3までを条件に費用を国が負担してくれる。
難易度は高いが、開業以外も対象になるので、新しい物作りを始める際にはチャレンジしてみたい補助金の一つ。

仮に両方通れば、最大1200万円の補助金を活用でき、余裕を持った開業が行えるので、ぜひオススメしたい。

居抜き物件・中古品を利用して安く抑える

カフェの開業で最も費用が掛かるポイント「店舗関連費」を根本的に抑えてしまう方法。

「居抜き物件」とは、前テナントの設備が撤去されていない状態を意味する。
(反対に「スケルトン物件」は、真っ新な状態である。)

つまり、前にカフェ業・飲食業で営業していた居抜き物件を確保すると、内装費用や調理設備費用を掛けずに会議用が可能になる。

更に工事が必要なくなれば、開業までもスピーディーになるため、家賃のロスが少なくなるというメリットも。

注意すべき点としては、残置物の状態をよく確認してから契約することだ。
故障の有無、異音チェック等、正常に稼働するかを見てから、契約する物件の価値を総合的に考える。

居抜き物件は需要が高いため、専門の仲介業者に依頼して物件を探すと、トラブルも少なく効率的に探せるだろう。

家賃・人件費などの固定費を削減する

物件の家賃・人件費は毎月の固定費として経営を圧迫するので、可能な限り削減を行う。

オープン前にはプレ営業を複数回行い、必要な時間に必要な人数が居る状態を作り出せるようにしておくべき。

家賃も工事段階から契約することになり、人件費と違い削減が難しいものになる。
契約時に、家賃の減額やフリーレント期間の設定などを積極的に交渉し、少しでも資金を節約できるように心がけたい。

一部セルフサービスを導入したり、オペレーション工数を減らすことで効率化も狙える。

SNSを活用し宣伝広告費を削減する

宣伝広告費として最低限必要なのは、「公式サイト」や「看板」といったものだ。

直接集客につなげるチラシや折り込み、ネット広告などを行う前に、無料で始められるSNSの活用がオススメ。

メニューやスタッフ紹介、営業時間や期間限定サービスの案内をリアルタイムで届けられるため、TwitterやFacebookなどのSNS活用はやっておくべきだろう。

出店計画が定まった時点から、進捗の報告をしつつ集客も同時に行っていくと、開業時に一定のファンがいる状態でスタートが切れる。

工事費用を抑えて可能な限り自分で行う

内装工事・外装工事を自己負担することで、その分の工賃を抑えた開業が可能。

資格の必要ない場所の工事であれば、ホームセンターや通販で購入した資材でDIYする人も。

電気ガス水道など専門的な部分を除けば、ある程度自力で賄ってしまうと安く収まる。

ただし、開業までの時間は極力短縮すべきなので、バランスは考えなくてはならない。

まとめ:開業資金は補助・助成金で安く抑えてスタートしよう

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カフェ・喫茶店の開業は、自己資金の負担をなるべく減らし、運転資金・余剰資金として余裕を持ったスタートを切りたいところだ。

そのためにも、各種補助金・助成金は可能な限り利用しておきたい。

他にも、居抜き物件の確保や中古設備の活用、賃料の交渉からフリーレント期間の設定・内装のDIYなど、徹底的に初期費用を抑えて開業する手段もある。

集客面では、SNSを活用したマーケティングは無料始められてメリットが大きいため、オープン前から投稿を始めて仕込んでおきたいところ。

夢の喫茶店・カフェ開業に向けて、是非この記事を参考にして頂きたい。

監修税理士・公認会計士からのコメント

店舗を持つカフェや喫茶店を開業する場合は、固定費がかなり大きくなります。そのためSNSなどで広告宣伝を行い、その他の費用を下げておく必要があります。また開業後は節税対策をしっかりとやっておくことで、成功の確率が向上します。

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2020年12月17日起業準備

Posted by taxtech-editor