失敗しないカフェ開業に必要な「準備・資金・スケジュール」を徹底解説!

2020年12月31日

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落ち着けて快適な空間であるカフェを自分で開業したいと考えている人も多いだろう。

ただ、何から行動して良いか分からず、なかなか計画を進められていない人もいるのではないだろうか。自分の理想が詰まっただけのカフェでは経営がすぐに行き詰ってしまう。

本記事ではカフェを開業するまでに起こりうる問題や知っておくべき情報などを詳しく伝える。

まずは必要な準備や資金面、オープンに向けてのスケジュールについて、一緒に考えてみよう。

目次

カフェの開業までに必要なものとは?

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カフェの開業に向けて、まずはしっかりとした計画を立てることが必要である。その中で特に大事なことは、「こだわる部分について」考えること。

限られた予算の中ですべてにこだわることは不可能である。

居心地の良い空間作りにこだわるのか、コーヒーの味にこだわるのか、こだわりポイントを決めて予算を配分していくことが、お店の個性を作る事になる。

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カフェと喫茶店は何が違う?

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カフェと喫茶店の違いについて詳しく説明する。

コーヒーを中心とした飲み物のメニューがあり、落ち着いた空間を提供するという点では、カフェと喫茶店に違いはない。

ただし、法律的には両者の営業区分は異なる。カフェは「飲食店営業」喫茶店は「喫茶店営業」に分類されるのだ。

食品衛生施行令第35条では以下のように定められている。

【飲食店営業(カフェ)】

  • 酒類の提供可能
  • 調理全般について可能

【喫茶店営業(喫茶店)】

  • 酒類の提供可能
  • 調理は基本的に負荷

アルコールを提供したり、食事メニューを充実させたいという人は「飲食店営業」、こだわりのあるコーヒーで勝負したい場合は「喫茶店営業」を選ぶのが良いだろう。

                                               

「開業資金・人件費」カフェ開業の費用目安について

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カフェの開業に際してはもちろん開業資金が必要である。

店舗の用意が必要なカフェの場合、どのくらいの開業資金が必要なのか不安に思っている人も多いはずなので、目安額についてお伝えしたい。

また経営にあたって人件費が必要なのかどうかについて考えてみよう。

「初期費用」カフェの開業にはいくら必要?

まずカフェを開業する際にどのくらいの費用が必要なのか、開業資金について考える。店舗の準備が必要な場合、平均的なカフェ開業資金は平均500万~600万円と言われている。

【店舗が10坪で家賃15万円のカフェ】だった場合、その内訳について説明しよう。

  • 物件取得費 180万円
  • 内装40万円
  • 設備150万円
  • 備品30万円
  • 宣伝費50万円
  • 運転資金100万円
  • 合計 550万円

物件取得費には家賃10ヶ月分の保証金や礼金、仲介手数料を含んでいる。内装や設備代は状況によって大きく変わるが、安く抑えたいなら、元々飲食店だった物件をそのままできる居抜き物件を中心に検討すべきである。

開業直後は売り上げも不安定になりやすいので運転資金も開業の資金計画に組む方が良い。

「従業員・人件費」カフェの店員は何名必要?

カフェを開業する場合、従業員を採用するかどうか非常に悩ましい部分だ。当然従業員を雇用すれば、人件費が必要になる。

一般的には店舗の規模で従業員が必要かどうかを考える。

  • 10席程度:一人でも営業可能
  • 20席程度:夫婦2人でも営業可能
  • 20席以上:10席あたり一人ずつ採用を検討

フードメニューに力を入れるなら、従業員を多めに採用する必要があるかもしれないし、飲み物中心のお店なら席数は多くとも、夫婦2人でも経営可能かもしれない。

理想のお店をイメージしつつ、採用の計画を進めていきましょう。

カフェ開業に「必要な資格」とは?

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カフェを開業する際には様々な資格が必要である。ここでは「食品衛生責任者」「防火管理者」の資格について説明する。

資格取得についても計画的に進めていこう。

「食品衛生責任者資格」カフェ開業に必須

カフェを開業する際に必ず必要な資格は「食品衛生責任者」である。「食品衛生責任者」の資格取得者が1名以上在籍していることが必要だ。

この資格がないと保健所から「営業許可証」を受けることができないため、自分で取得するか、資格を持った人を雇用しなければならない。

食品衛生責任者の仕事は、店舗の衛生管理を行うことであり、従業員の衛生管理方法を指導し、管理・徹底させる立場でもある。

各地域の保健所で講習を受けることで、資格を取得する。

「防火管理者」店舗の面積次第で必要

30人以上を収容できる大規模のカフェを開業する際には「防火管理者」の登録が必要となる。延床面積が300㎡以上の場合は「甲種防火管理者」、300㎡未満の場合は「乙種防火管理者もしくは甲種防火管理者」の資格が必要となる。

各消防署に問い合わせし、どこが講習を行っているか確認し受講することで、資格取得できる

防火管理者は営業開始までに所轄の消防署に届け出ることとなっているので、早めの資格取得をおすすめする。

「調理師免許」カフェでは不要

意外に思うかもしれないが、カフェの開業に調理師免許は必須ではない。さらに、調理師免許を持つ料理人を雇う必要もない。

特段の資格がなくても業務として調理することは可能である。

カフェ開業に必要な「申請・届出手続き」について

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カフェの開業時に必要な届出や書類について説明する。届け出に必要な書類や届出先も異なるので、注意深く確認して行動しよう。

早い段階で内容を確認し、事前の準備を進めたい。

「飲食店営業許可申請」カフェ開業では必須

カフェを開業するためには「飲食店営業許可申請」が必要だ。

厨房や食器棚、空調やトイレなど細かい規定があるので、設計士と事前に所轄の保健所に相談に行っておく方が良い。

「菓子製造業許可申請」自家製パン・お菓子を提供する場合必須

店舗内で自家製パンやお菓子を製造し、テイクアウトや卸を行う場合に「菓子製造業許可申請」が必要となる。その場合は厨房を密閉する必要があるため、通常の設備よりも工事費がかさむ可能性がある。

店舗で提供するメニューとしてお菓子やパンを提供する場合はこの資格が不要な場合もあるので、保健所に確認してみましょう。

「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」0時以降に酒類を提供する場合必須

深夜帯である午前0時から午前6時にかけて、酒類の提供を行う場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出する必要がある。

店内の詳細図面などが必要なので、業者へ払う別途費用が必要になる。ただ専門家に届出を任せた方が、効率的に時間を使うことができて良いかもしれない。

新規開業における「カフェの始め方3パターン」

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カフェを開業するにあたって様々なパターンがある。そのなかでも代表的な開業方法を3つ紹介したい。自分に合う方法はどれなのか、検討してみましょう。

1.ゼロからスタート、未経験でのカフェ開業

完全にゼロの状態からスタートして、自分の意志ですべてを決めて進めていかなければならない。当然ながら、店のコンセプトや外装内装、メニューや出店場所など、決めなければならず、かなりの時間と労力が求められる。

その反面、すべてを自分の好きなように決められる魅力がある。

2.実務経験を活かし、社員からのカフェ開業

次に、まずは社員という身分で雇われ店長として、カフェを経営する方法がある。求人情報を調べて、カフェの店長候補という求人が見つかれば、即応募してチャレンジしてみよう。

正社員として安定した給料を得ながら、カフェ経営のノウハウを学ぶことができる。

デメリットとしては自由度の低さ、が挙げられる

3.フランチャイズ加盟、ノウハウ提供によるカフェ開業

3つ目にフランチャイズ本部に加盟して、カフェを経営する方法がある。

本部から様々な支援を受けることができ、未経験からでもスムーズにカフェを開業することができる。

デメリットとしては、自由度が下がること、店名やメニュー、店内の雰囲気づくりなども本部に従って進めなければならないことである。

実際にカフェを開業するまでのスケジュール

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カフェを開業するにあたり、いつ、どのような準備を行うのか、把握しておくことはとても大切です。カフェ開業の1年前からやるべきことを6つのタイミングに分けて、説明します。

タイミングよく準備を行いましょう。

カフェ開業の1年前にやること

未経験からカフェ開業を考えているなら、少なくとも準備期間を1年以上確保すべきである。そしてまず優先して取り組むべきことは、コンセプト作り・事業計画の作成・資金の確保・勉強会への参加などである。

開業のイメージを作る事、事業として数字に落とし込むことを考えましょう。

カフェ開業の半年前にやること

半年前にやるべきことは主に物件探しとメニュー作成である。

予算に合致する物件を探し、店舗デザインの検討を進める時期であり、そろそろメニューをどうするか考えなければならないタイミングだ。

先に考えたコンセプトと合ったメニューを用意しよう。

カフェ開業の60日~90日前にやること

60日~90日前までにやることは設計・施工会社を決めることである。その際にはカフェなど飲食店の施工実績が豊富な業者にお願いするとよいだろう。

また従業員の採用を検討しているなら、この時期から募集を行い、面接を進めよう。

カフェ開業の45日前にやること

45日前は内装工事に取り掛かる目安のタイミングである。打ち合わせは施工業者とのイメージの差が出ないように、画像や素材を使ってより具体的に進めていこう。

また助成金申請もこの頃より、準備を進めておけば安心できる。引き続き、従業員の採用活動と並行して、研修をスタートさせよう。

カフェ開業の30日前にやること

カフェ開業に必要な資格取得はこの時期に余裕をもって済ませておこう。通常数日で取得できる資格ばかりですので、慌てる必要はない。

また助成金の申請を済ませ、仕入れ業者を決めるタイミングでもある。

カフェ開業の10日前にやること

10日前には店舗工事を完成させ、お披露目会の準備を行おう。お披露目会では関係者を無料で招待し、素直な感想を聞くことが大切である。問題点があればプレオープンまでに改善しよう。

プレオープンではスタッフの動線を含めて、しっかりとシミュレーションを行うことが重要だ。

カフェ経営の成功のコツは「単価×顧客数×回転率」による売上確保

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カフェ経営を成功させるためには安定した売り上げの確保が最重要である。客単価を上げ、顧客数を増やし、回転率を上げることが、売上を高めるポイントだ。

そのことについて考えてみたい。

提供メニューの単価改善

カフェは客単価が低くなりがちなので、客単価を上げられるよう戦略を持つべきである。

そのために客単価の高い商品を持つことがとても重要だ。飲み物に加え、軽食を一緒に提供する、夜は利幅の大きいアルコール類を提供する、などの工夫が考えられる。

来客数の増加・座席数の工夫

売り上げを上げるためには来客数を増やすことが重要である。

通りすがりの飛び込み客が入店しやすいような看板や広告を工夫したり、近所にチラシを巻いたりする活動が考えられる。

また効率よく座席を埋めるためにも、1組当たりの来店者数もよく観察し、座席数の工夫を行うことも重要だ。

顧客のリピート率を底上げする

売り上げを上げるためには客席の開店率を上げることが重要である。回転率を上げるためには、注文を受けてから商品を提供するまでの時間をできるだけ短くすることが大切である。

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まとめ:必要資格があれば後は店舗とコンセプト設計!万全の準備を

カフェはみんなにとって特別な空間だ。

カフェ開業のために必要な資格取得は特に難しい事ではないはずであろう。落ち着いた快適な空間をご提供するためにも、開業前にコンセプトをしっかりと固め、実現のために店舗の運営を行っていくことが重要だ。

万全の事前準備を行い、開業に向かって真っすぐ突き進んでいこう。

監修税理士・公認会計士からのコメント

カフェの開業を成功に導くためには、しっかりとした準備が必要です。特に資格や届け出を忘れてしまうと開業することすらできない可能性があります。またカフェの開業に必要な資金も500万円ほど必要になります。開業後はしっかりと会計管理をしておきましょう。

2020年12月31日起業準備

Posted by taxtech-editor