新規開業資金の調達方法は?自己資金なしでも大丈夫な方法を徹底解説!

2020年12月15日

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新規開業資金調達のために出資や融資を受けられる制度は沢山あるが、審査を通過するには自己資金なしでは難しい場合が多い。さらに、自己資金は自力でコツコツ貯めるのは時間がかかる。

しかし、「独立したい」「新たなプロジェクトにチャレンジしたい!」などさまざまな夢を後押ししてくれる制度を利用すれば、自己資金なしで融資や出資を受けられる方法も存在する。

この記事では、自己資金の定義や自己資金なしでも対応できる資金の調達方法を紹介していく。

そもそも自己資金って?

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自己資金は、通帳にはいっている金銭のみを指すのではない。自己資金になるもの、ならないものをしっかり把握することが重要だ。

自己資金になるもの

自己資金になるものは、自力でコツコツ貯めた預金や遺産金などの金銭のほか、有価証券や車、金やプラチナのかたまりなどの資産のことである。もらったものも証明できれば資金になるが、融資の審査のとき、自力で貯めたお金より評価は低くなる。

自己資金にならないもの

自己資金にならないものは、家族から借りたお金や500円玉貯金、見せ金などである。500円玉貯金など、家での貯金もすぐには自己資産としては認められないので注意が必要だ。その場合、銀行に1~2年預けることで自己資産と認められる。

見せ金は、融資を受けるために用意したお金。借りたお金と同じであり、出どころを調べればすぐにバレてしまう。不正がバレると信用が下がり、融資を受けられなくなるので注意が必要である。

自己資金の定義

新規開業資金のための自己資金の定義は、返済義務がなく、全てが事業に使える資金だ。借りたお金や出どころが不明なお金は、自己資金として認められない場合がほとんど。

しかし、ポイントを抑えることで自己資金になるものもある。

例えば、家族間での借金ではなく贈与、つくった会社に出資されたお金であれば資金として認められる。この場合、契約書のような証明できるものの提出を求められるので注意が必要。

新規開業資金として自己資金はいくら必要?

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新規創業資金として望ましい自己資金の割合は、30%~50%程度である

飲食や販売業など、店舗ありの場合や初期投資が多い業種の場合、500~1000万円。その他、無店舗の場合でも100~300万円ほど用意できるのが理想だ。

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新規開業資金を自己資金なしで集める6つの方法

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新規開業資金を自己資金なしで集める下記6方法は、比較的自己資金なしでも新規開業資産のための融資や出資が受けやすい傾向にある。

  • 新創業融資制度
  • 挑戦支援資本強化特例制度
  • 中小企業経営力強化資金
  • 制度融資
  • ベンチャーキャピタル
  • クラウドファンディング

それぞれの特徴を、紹介していく。

新創業融資制度

新創業融資制度とは、政府系の融資である。

最近は、要件が緩和されていて、融資を受けやすい傾向だ。原則、保証人や担保は必要なく利率は年2.16%~2.55%ほど。新創業融資を申し込める自己資金の割合は、10%だ。

しかし、実際審査に通りやすいのは30%程度と言われている。

どうしても自己資金がない場合は、「認定特定創業支援」を受けている方、現在勤めている企業と同じ業種で開業をする方であれば、自己資金がなくても新創業融資を受けられる特例がある。「認定特定創業支援」とは、市区町村が創業者に支援をしてくれる便利な事業。また、事業計画の内容が良いと支援や融資を受けやすい。事業者の熱意や、事業計画の内容に筋が通っているかがポイントである。

挑戦支援資本強化特例制度

挑戦支援資本強化特例制度とは、新事業展開や事業再生、海外進出などを目的とする方におすすめの政治系融資制度。資本ローンとも言われている。

利用条件は、地域経済の活性化をうながす事業であることと、財務申告を1期以上所得税を完納していることである。原則、自己資金の要件はなく、無担保無保証で利率は1.05%~6.20%程。業績や貸付期間によって変わり、期間が長くなるほど増えていく。四半期ごとに、経営状況の報告が必要だ。

中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金とは、新創業融資と同じく政府系の中小企業の活性化を目的とした融資である。

利用できるのは、新事業の開拓や指針に従った会計処理を行う会社である。新事業の開拓は、認定された税理士や専門家からの指導を受けることが条件である。

無担保無保証で最大2000万円の融資が受けられ、利率は2.06~2.35%程度と新創業融資より低めだ。融資が受けたあと、年に1回ほど税理士や専門家による調査が入るが融資審査に通りやすい特徴がある。

制度融資

制度融資は都道府県や市区町村が行う政府系の融資で、地域ごとに規則が変わる。事業を営んでいない個人や、創業5年未満の中小企業などが利用できる。保証人や担保は不要。

しかし保証料が必要で、融資額の0.45~1.9.%ほど。地域よっては保証料の1/2程度の補助が出るところもある。利率は年1.9%~2.5%と低めだ。自己資金の要件は特にないが、制度融資の審査を通過するためにある程度の自己資金は必要である。借りられる金額は自己資金の3-4倍が一般的である。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャーキャピタルを行う会社から出資をしてもらい、売り上げが延びたときにお金を支払う仕組みのことだ。出資を受けられるほか、経営に関しての指導をしても会えるメリットもある。

定期的に勉強会を開いたり、ベンチャーキャピタルの社員が、事業者のパートナーとなり支えてくれるのだ。他の企業と合同の勉強会を行うと横のつながりが増える。事業の発展につながる可能性もあり、近年人気の調達方法である。

しかし、自己資金が少なく、出資の割合が多いと会社の経営権を出資者に握られる場合も。出資した側にとって、経営が傾いては損に繋がるからだ。経営基盤をしっかりしないと、社長であってもクビになる可能性もあるのだ。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、特定のインターネットサイトから出資を募集するシステムだ。サイトに事業計画を提示し、賛同者から出資を受けることができる。レストランや民宿の経営、新しい便利グッズの製作費などが多くみられる。賛同者を増やすポイントは、レストランやホテルであれば、出資をすると優先的に招待を受けられたり、新商品への出資であれば優先販売やプレゼントを設けているところが多くみられる。

クラウドファンディングの出資は出資家だけでなく個人も可能だ。気に入った企画の出資を趣味にしている人も多くいる。しかし希望のまとまった額になるまでの時間は読めないので計画通りにならない可能性もある。

自己資金を少しでも増やす方法

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自己資金なしでの開業は、出来なくはない。

しかし、事業の幅を拡大や運転資金に余裕を持つためにも自己資金は多いほど良い。開業までの間に、少しでも増やす努力をすることが必要である。

  • 現物出資
  • みなし自己資金の活用
  • 副業やアルバイトを併用する
  • 家族や友人に協力してもらう

それぞれの概要を、説明していく。

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現物出資

現物出資とは、個人で所有する車や、パソコンなどの機械類、不動産などでの出資方法である。開業するための資金は、お金だけではないのだ。これらを預金と併用すれば、自己資金を増やすことができる。オフィスの備品なども現物出資に利用できるが、あまりに細かいと資産計上が大変になる。だいたい5万円以上で考えるのが妥当だ。

みなし自己資金の活用

みなし自己資金とは、融資を申し込むまでに開業のために使ったお金は自己資金として認められる、というもの。例えば、HPの作成費や、テナントの契約費、先立って工事している内装費用など。逆に認められないものは、登録免許税や印紙代、定款認証代などの会社設立費用、支払日からだいぶ日が経っていて開業のための出費か分からないものなどだ。

基本的には事業に関連して先に支払いをしているものは、証明すれば認めてもらえる。領収書の保存や記帳はきっちり行っておくのがおすすめだ。

副業やアルバイトを併用する

副業やアルバイトは、本業があっても認めている会社が増えている。さらに、自己資金を少しづつ継続して増やすことは、融資の際に少し有利になる。コツコツと貯めてきた実績は信頼度が増すからだ。その場合、開業する事業と同じ業種であるとさらに良い。本業が関連事業であれば、パソコンがあればできるライターやネットショップ運営、派遣等の単発でできる仕事もおすすめだ。

家族や友人に協力してもらう

家族や友人の協力で自己資金を得るには、友人や家族の通帳を提示することである。友人と共同で起業する場合、友人の通帳を提示できれば自己資金として認められる。また、配偶者がいれば配偶者の通帳を提示することで、自己資金になる。しかし、あくまでも他人のお金。話し合いを重ねてトラブルにならないように気を付ける必要がある。

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まとめ:自己資金が多いほど事業に余裕がうまれる

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今回は、自己資金の定義や自己資金なしでも対応できる資金の調達方法を紹介した。

新規開業資金を調達する上で、自己資金なしの場合は、魅力のある新規事業や経験のある業界での開業など、特例の条件を満たせば融資を受けられる場合がある。そのほか、融資以外のベンチャーキャピタルやクラウドファンディングを利用する方法もある。

しかし、自己資金がない状態での開業は、開業後の運転資金が足りなくなる可能性もある。少しでも自己資金を増やす努力が必要だ。

監修税理士・公認会計士からのコメント

自己資金なしで新規開業するのは現実的にはなかなか難しいです。業種にもよりますが、最低でも100万円ほどは用意しておく必要があります。自己資金があまり用意できなくても、創業融資制度などを利用すれば資金調達することが可能なので、Taxtechの他の記事も参考にしてみてください。

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Posted by taxtech-editor