開業資金の融資はいくつ方法がある?開業前に知っておきたい3つの融資方法とは

2020年12月24日

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開業資金を用意する際の資金調達として代表的なものに、「融資」がある。一般的には、融資と聞くと「借金」や「負債」などのイメージが強く、マイナスなイメージが多い方もいるだろう。しかし、融資を上手に利用することで大きなメリットを受けることもできる。

しかし、融資を利用する前にはいくつかの注意点や流れ等を理解しておく必要がある。今回は、融資の種類やメリット・デメリット、融資を受ける手順について解説する。この記事を読むことで、融資の概要を理解でき、開業資金の調達に役立つだろう。

開業資金に役立つ3つの融資方法

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開業資金を得る際の融資の種類は、大きく分けて下記の3つがある。

  • 日本政策金融公庫
  • 銀行などの金融機関
  • 各自治体の起業支援

一言で融資を利用すると言っても、借り入れ先によって金利や融資金額、借り入れ条件等にも差がある。そのため、開業前に必要金額や返済計画、利用可能かどうかを考える必要がある。また、融資に付随して「補助金」や「助成金」の必要性についても解説する。

方法①:日本政策金融公庫

日本制作金融公庫には、「新創業融資制度」と「新規開業資金」の2種類がある。この中で、新たに開業する場合には「新創業融資制度」を利用することが多く、無担保・無保証で融資を受けられることが最大のメリットだ。さらに、融資可能額は最高3,000万円であるが、融資額の10分の1は自己資金で賄う必要があるため注意が必要である。

また、日本政策金融公庫では開業資金を積極的に貸し出しているが、必ずしも受けられるとは限らず、融資を受けるためには「審査」を受ける必要がある。審査では、大きく分けて下記の3つを重要視される。

  • 開業予定の業種に6年以上の経験があるかどうか
  • 計画的に継続して資金を貯められているかどうか
  • 事業計画書の実現性が高いかどうか

上記の3つを必ず満たさなければいけないわけではないが、目安として捉えられる。これらに、該当している場合には日本政策金融公庫での融資を受けやすくなるだろう。

方法②:銀行などの金融機関

銀行など民間の金融機関からの融資と言っても4つの種類がある。

  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合

都市銀行や地方銀行のような株式会社の場合には、資金力が高いため大規模な融資を受けられる可能性が高いのが特徴である。反対に、信用金庫や信用組合の場合には、資金力よりも地域繁栄等に力を入れているため、地域密着型であり融通の効く取引を行うことができるのが特徴である。

また、金融機関からの融資を受ける際には「信用」があるかどうかで融資可能かが決まる。そのため、まずは信用を獲得することが大切だ。信用を獲得するためには信頼性保証が必要であり、「信用保証協会」に依頼することで可能となる。開業資金を調達する際には、信用保証協会への依頼を忘れずに行うことをおすすめする。

方法③:各自治体の起業支援

各自治体からの融資における特徴は、起業したばかりでも融資を受けやすいことと、日本政策金融公庫の新創業融資制度と比べて金利が安いことが挙げられる。金利も低く、実績や信用が低い状態でも融資を受けられるため開業する方にとってはメリットは大きいが、デメリットもある。

デメリットとしては、「申請から受給までに時間がかかる」ことや「各自治体によって支援内容が異なるため自由に選べない」ということである。時間がかかることに関しては事前に対処可能だが、支援内容は個人で決められるものではないため、拠点を決める際に一緒に調べることをおすすめする。

補助金や助成金も利用しよう

国や地方自治体からは補助金や助成金制度等もあるため、これらを上手く活用することで開業資金に当てることができる。ただ、常に申請可能な補助金や助成金だけでなく、新型コロナウイルスに関する補助金・助成金など特異なケースもある。

さらに、各自治体ごとによっても内容が異なるため、事前にどの補助金や助成金を利用でき、申請には何が必要なのかを確認する必要がある。

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開業資金の融資を受けるメリット・デメリットとは

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開業資金の融資を受けるにあたって、メリットが多いのは事実だが、デメリットも存在する。デメリットを事前に考え計画的に融資を受けることで、開業の手助けになるだろう。続いては、開業資金の融資を受ける際のメリット・デメリットについて解説する。

開業資金の融資を受けるメリット

開業資金の融資を受ける際のメリットは下記の3つである。

  • 資金繰りを安定でき、倒産のリスク回避に繋がる
  • 比較的低金利で資金調達が可能
  • 実績がつくことで次回以降融資を受けやすくなる

様々なメリットがあるが、まとめると「低金利で資金繰りができ、融資の実績もできる」ということである。特に、開業する際に課題となるのが資金である。開業時の課題の資金を、上記のようなメリットで調達できる融資はおすすめである。

開業資金の融資を受けるデメリット

開業資金の融資を受ける際のデメリットは下記の3つである。

  • 申請から受給までは時間がかかる
  • 返済が苦しくなる可能性がある
  • 返済を滞納した場合、信用情報に傷がつく

メリットがある一方で、上記のようなデメリットもある。特に、非計画的に融資を受けてしまうと、返済ができなくなり、滞納することによって信用情報に傷がつく可能性がある。信用情報に傷がついた場合、今後融資を受けるのが難しくなる可能性も高い。

また、融資の場合には申請をしてから審査が入り受給という流れになるが、手続き等を含めると時間がかかる可能性がある。事前に、申請から受給までにどのくらいの時間がかかるのかを調べておく必要がある。

開業資金の融資を受けるための4つの手順

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融資を受けるための流れは下記の通りである。

  1. 融資の申込書を記入する
  2. 借入先指定の事業計画書を記入する
  3. 指定のフォーマット以外の事業計画書を作成する
  4. 面談を受ける

上記の流れを通して審査を行い、問題がなければ融資を受けることができる。続いては、上記の流れについて一つずつ解説する。

手順①:融資の申込書を記入する

融資を受けることを決め、借入先を決めることが出来たら、まず初めに「融資の申込書」を記入する。一般的に融資申込書のフォーマットはホームページ等に掲載されているもので問題ない。ほとんどが手書きのため、面倒だが手書きで記入する際にも注意が必要である。

融資における審査は、返済能力や銀行側へのメリットだけでなく、「受給者の人柄」も重要視される。そのため、申込書を雑に記入してしまうと印象が悪くなり、審査に通らない可能性がある。つまり、たとえ申込書であっても丁寧に記入することが大切だ。

手順②:借入先指定の事業計画書を記入する

事業計画書は借入先それぞれに独自のフォーマットがあり、それらを記入することで借入先により具体的な事業計画を示すことができる。記入項目は様々あるが、借入先に具体的に伝えるために、埋められる項目はできるだけ埋めることが大切である。

また、パンフレットやホームページ等の事業内容がわかる書類等があればより伝えやすくなるだろう。

手順③:指定のフォーマット以外の事業計画書を作成する

借入先指定のフォーマット以外の事業計画書を作成しておくことも大切である。可能であれば、利益計画書や収支計画書等を用意しておくことも大切だ。これらを提示することで、より具体的に伝えることができ、借入先にも「現実的かつ計画的な返済が見込めそうだ」ということを印象付けることができる。

手順④:面談を受ける

1~3の必要書類を準備できたら、金融機関との面談を行う。借入先によって面談回数は異なるが、一般的には下記の通りである。

  • 日本政策金融公庫:1回
  • 信用金庫:信用金庫の担当者と1~2回の面談+保証協会との面談

上記のように、日本政策金融公庫の面談は1回なのに対し、信用金庫は2~3回ほど面談を行う。どちらの場合でも、返済能力や借入先へのメリット、人柄など様々な面で判断されるため、事前に注意すべきポイントを調べておくことが大切である。

まとめ:しっかりとした起業計画で融資を受けよう

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起業をする際には勢いが大切という方も多いが、勢いだけでなく「しっかりとした起業計画」を立てた上で開業することが大切である。さらに、融資を受けるとなると、具体的な売り上げや利益、返済計画等も金融機関に伝えるため、細かく計画を立てておいて損はないだろう。

また、融資は計画的に行えば開業資金の調達のみでなく、事業拡大の際にも大きな役目を果たす。そのため、メリットやデメリットを理解し、計画的に事業を進めることが大切である。

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監修税理士・公認会計士からのコメント

開業資金を調達する方法はたくさんありますが、その中でも融資は慎重に進める必要があります。しっかりと返済できれば実績となりますが、返済できなければ信用に傷がつく可能性もあります。融資のメリットとデメリットを理解したうえで選びましょう。

2020年12月24日起業準備

Posted by taxtech-editor