社会保険とは?個人事業主が加入すべき理由を徹底解説!

2020年11月11日

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個人事業主の社会保険について、分からなくてお悩みの方も多いのではないだろうか?
本記事では、個人事業主が加入できる社会保険や加入ルール・手続き、節税ポイントを解説する。

読み終わる頃には、5種類の社会保険の違いや個人事業主の家族・従業員の社会保険の取扱も把握できる。
個人事業主が可能な社会保険の節税対策も具体的な説明で、即実行いただけるだろう。

個人事業主の社会保険における基礎は、全てご理解いただける。

この記事を読むメリット

・社会保険の概要と、個人事業主がとるべき対応がわかる。

社会保険の種類

社会保険には、公的医療保険と公的年金保険、公的介護保険、雇用保険、労災保険の5種類が存在する。

ここでは、各保険について分かりやすく説明する。

なお、第一次産業や士業、サービス業、宗教団体などは、5人以上の従業員であっても任意加入できる。

①公的医療保険

日本の医療保険制度は、病気や怪我に備えてあらかじめ保険料を出し合い、実際に医療を受ける際の医療費の支払いに充てる仕組みである。

医療費の自己負担の割合は、年齢や所得に応じて異なる。
しかし、義務教育就学〜70歳未満は3割負担だ。 公的医療保険には、健康保険と共済組合保険、国民健康保険などがある。

健康保険は会社員、共済組合保険は公務員、国民健康保険は個人事業主などが加入する。 サラリーマンは、所属する企業によって加入する保険が異なる。 法人の場合は、従業員数に関わらず、健康保険への加入が義務付けられている。

また、健康保険料は被保険者の給料に応じて計算される。そして、事業者である企業と従業員が折半して支払う。 個人事業主は原則的に国民健康保険に該当する。

しかし、常時雇用する従業員が5人未満の場合は、健康保険への加入は任意である。ただし、従業員が健康保険に加入しても、個人事業主本人は加入できない。

②公的年金

公的年金保険は、高齢になったときに受け取る老齢年金のための保険である。

厚生年金保険と国民年金の2種類が、公的年金保険には存在する。厚生年金保険は会社員や公務員、国民年金は個人事業主などが加入する。 法人の場合は、従業員数に関係なく、厚生年金保険への加入が必須だ。

そして、健康保険と同様に企業と従業員で折半して支払う。支払い金額は、被保険者の給料により計算されるため、同額ではない。 個人事業主の場合、原則的に国民年金保険に加入する。

国民年金保険料は、収入に関わらず一律16,340円である。

③介護保険

40歳以上の場合は、公的介護保険への加入が求められる。

そのため、健康保険料などに加えて、介護保険料も共に支払う。 介護保険は介護が必要になった際に、在宅や施設などでの介護サービスの提供を受けられる保険である。

介護保険料は、事業者と従業員で折半した負担となる。そして、被保険者の給料に応じて計算される。

④雇用保険

雇用保険は、失業した場合の生活の安定と再就職の促進に必要な給付を行う保険だ。

31日以上雇用の予定で、週20時間以上勤務する従業員は、雇用保険への加入が義務になる。 雇用保険料率は、事業主負担が0.6%、従業員負担が0.3%であるため、これらの率は把握しておくと良いだろう。

⑤労災保険(労働者災害補償保険)

労災保険は、業務中の怪我や病気、また通勤途中の怪我などに対して、従業員本人や遺族に必要な給付を行う保険だ。

法人・個人事業主に関わらず、従業員が1名以上いると、労災保険への加入が求められる。つまり、社員を雇用すると労災保険への加入が必須だ。 正社員だけでなく、アルバイトやパート、日雇いなども含め、雇用する全ての従業員が加入対象である。

給与支給額や労働時間は、関係がない。 労災保険料は、保険料率は業種によって異なるが、全額事業主負担だ。
ただし、個人事業主自身は、原則としては労災保険に加入できない点に注意しよう。

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個人事業主に関連する社会保険

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ここでは、個人事業主に関連する社会保険について解説する。

具体的には、個人事業主本人が加入できる保険や家族の取扱、また従業員を雇用した場合の社会保険に関してだ。詳細部分が肝心なため、きちんとポイントを押さえていただきたい。

本人が加入できる保険

個人事業主本人が加入できる保険は、国民健康保険と国民年金である。

労災保険には特別加入できますが、雇用保険には加入できない。 また、国民健康保険と国民年金は全額自己負担になる。

個人事業主の家族についての取り扱い

個人事業主の場合は、扶養家族の適用がない。

そのため、家族それぞれの収入に応じた国民健康保険料の支払いが必要だ。 同様に、20歳以上の妻や家族それぞれに対する国民年金保険料の支払い義務がある。

従業員を雇った場合の社会保険

個人事業主が従業員を1人でも雇用した場合、労災保険と雇用保険への加入が必須である。

労災保険と雇用保険は、事業主の全額負担だ。 また従業員が5人以上になると、保険料の半額を事業主が負担して健康保険と厚生年金への加入が求められる。

社会保険の加入ルールと手続き

社会保険の加入形態には、「強制適用事業所」と「任意適用事業所」が存在する。

「強制適用事業所」は、社会保険への加入が必須の事業所だ。全ての法人と常時5人以上の従業員を雇用する下記の事業分野を営む個人事業所が、該当する。

・製造業
・土木建築業
・鉱業
・電気ガス業
・運送業
・貨物積卸業
・清掃業
・物品販売業
・金融保険業
・保管賃貸業
・媒介斡旋業
・集金案内広告業
・教育研修調査業
・医療保険業
・通信報道業
・社会福祉事業

「任意適用事業所」は、強制適用事業所以外、または常時5人未満の従業員を雇用する個人事業所が該当する。後者は、日本年金機構の認可を受けて健康保険や厚生年金保険を適用される事業者を指す。

事業所で働く半数以上の従業員が適用事務所となることに同意し、事業主の申請を日本年金機構が認可すると、適用事務所となる。適用事務所では、従業員は全員保険に加入し、保険給付や保険料などは強制適用事業所と同じ扱いだ。

なお社会保険に新規加入であれば、事業所の所在地を管轄する年金事務所に加入書類を窓口または郵送で提出する。加入義務の事実発生から、5日以内に申請しておこう。

また、社会保険の給付にも申請が必要だ。自動的に支給されないので、必ず窓口に申請に行こう。

会社員が退職後に加入するケースでは、国民健康保険と国民年金の手続きは、退職の翌日から14日以内に行っていただきたい。

個人事業主が保険料を抑えるためのポイント

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1年分の保険料を一括で前納すると、保険料が割引される。市区町村によって割引額は異なるが、保険証と認印を持参して市区町村の役場で手続きしよう。

また保険料の安い市区町村に引越すと、年間で数十万円の節約ができるケースもある。

さらに平等割額が保険料に加算される市区町村では、別世帯として国民健康保険に加入すると平等割引が適用される。そのため、同一住居で暮らしている場合は世帯を一つにまとめよう。

加えて、法人化して社会保険制度に加入することで、大幅な保険料の軽減の可能性がある。法人であれば、会社が儲かっても自身の報酬を自ら決定できる。

よって、報酬を調整して、保険料を抑えることが可能だ。

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まとめ

個人事業主の方の社会保険について、下記にまとめた。

・雇用保険と労災保険:自身の加入は不可

・健康保険:世帯収入に応じて保険料が決まり、納付書や口座振込などで支払う。全額自己負担。

・年金保険:国民年金で、月々16,340円を全額自己負担。納付書や口座振込などで支払う。

・介護保険:国民健康保険と共に、全額自己負担で支払う。65歳以上は年金から天引き。

記載したそれぞれの概要について把握した上で、必要な社会保険を理解し、最適な社会保険を選択していただければと思う。

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Posted by taxtech-editor