タピオカ店の開業資金はいくら?費用と開業メリットまとめ【2020】

2020年12月17日

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

1x1.trans - タピオカ店の開業資金はいくら?費用と開業メリットまとめ【2020】

近年、若者の間で一大ブームとなった「タピオカ」

メディアでも積極的に紹介され、国民的人気を誇るスイーツの立ち位置に躍り出ている。

今回は、最近注目されている「タピオカのお店」を開業するのに必要な資金、その内訳を一挙紹介する。

また、開業にあたって重要になるポイントや、メリット/デメリットについても言及するので、ぜひ参考にして頂きたい。

【本記事の読了メリット】
・開業資金の把握
・商売の強み・弱みの理解できる
・経営する上で重要なポイントがわかる

自己資金なしでも、新規開業を行える方法をこちらの記事で解説しているので、資金面に不安がある方は、一読頂きたい。

タピオカの開業に必要な資金は「80万~」

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タピオカ店の開業に必要な資金は、場所さえ確保すれば「最低80万円~」で開業可能だ。

これはデリバリーのフランチャイズに加盟する例だが、飲食店の開業においては非常に少額の資本でスタートできるジャンル。

それでは、開業費の内訳を実際に見ていこう。

フランチャイズ加盟の開業例と費用内訳

この章では、タピオカ店を実際に開業する時に必要な資金を計算していこう。

FCに関する費用は、比較的安価に開業ができる台湾飲茶FC「謝謝珍珠」の資料より出典している。

【開業例と目安】
(都内で7~9坪の小型店を開業する場合)

A.店頭型B.デリバリー型
合計費用
(目安)
1000万~450万~
加盟金220万50万
店舗関連費700万~350万~
保証金30万30万
研修費0~30万0~30万
人件費0~30万0~30万
賃貸料20万~10~15万
原材料売上目標の15-20%売上目標の15-20%
ロイヤリティ売上の8%
※レジ管理費月1.65万
売上の8%
※レジ管理費月1.65万

加盟金

FC加盟契約時には、加盟金が必要となるケースが多い。
加盟金が無い場合は、ロイヤリティーの割合が高いなどのケースがあるため、要確認。

A.店頭販売型
220万円~
(内100万円はブランド維持/宣伝広告費)

B.デリバリー専門型
50万円~

店舗関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)

店舗関連費は、タピオカ店を始めるにあたって必要な物件と設備を揃えるための費用。
(物件契約、店内の内装工事、厨房設備、装飾や営業に必要なものを含む費用)

A.店頭販売型
都内出店の場合、店舗関連費用は全て合わせて約700万円前後。

B.デリバリー専門型
約350万円~、店頭販売型のおおよそ半額程度が相場、接客スペースや立地を度外視出来るため安い。

保証金

フランチャイズ加盟する際には、保証金を預けることが一般的。

これは、FC本部へ仕入れ資金・ロイヤリティーの担保として預けるので、契約終了時に返還される。
※ただし、契約終了時に債務や未納分がある場合は、差し引かれての返還

店頭・デリバリー共通
30万円

研修費

FCオーナーとして開業するために必要な、タピオカ店の営業研修を受ける際の費用。
一般的には、10~30万円ほどの費用であることが多い。

店頭・デリバリー共通
0~30万円※

※台湾飲茶FCの「謝謝珍珠」では、加盟金の中に初期費用として含まれているため不要になっている。

人件費

タピオカ店の場合は、1~2名でも営業可能なため、比較的安く収まる。

店頭・デリバリー共通
0~30万円

オーナーのみで営業も可能、忙しい時間だけのスポットで雇用するなど、固定費はなるべく節約したい。

賃貸料

固定費として常に負担が掛かるため、条件と金額のバランスを考えた上でシビアに考えるべき。

A.店頭販売型
20万円
※都内の7~9坪で想定

B.デリバリー専門型
10~15万円
立地を気にしないため、比較的安く抑えられる。

原材料

原材料費は売上に対して15~20%程度見込むため、目標売上で計算して考えるとある程度推測可能。

店頭・デリバリー共通
月に50万の売り上げを目標に仕入れるなら、原材料費は7.5万~12.5万
月に100万なら、原材料費は15万~20万

ロイヤリティ

売上からFC本部へ支払うロイヤリティの割合は、オーナー収入に直結するため重要なポイントである。

「謝謝珍珠」では、ロイヤリティは売り上げの8%に固定、別途レジ管理費用が毎月16,500円掛かることになっている。

これは、どのFCに入るかでかなり変わってくるため、開業の際には複数社のタピオカ系FCの資料を比べて検討したい。

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タピオカ開業のメリット

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開業費用の目安がわかったところで、次はタピオカ店を開業するメリットを7つお話しよう。

初期費用が安い

タピオカ店の開業に必要な初期費用は、飲食店の中では比較的安い方である。

前章で紹介した初期費用は、都内での開業例をイメージしたもので、地方での開業は2割程度は安くなるだろう。

基本的に飲食店の初期費用は、地方の開業であっても最低1000万円は見込む必要があり、敷居は割と高い。

それに比べ、都内であっても1000万で開業可能というのは安く、メリットの一つだ。

参入障壁が低く、誰でも始められる

通常の飲食店開業と異なり、タピオカとジュースを混ぜるだけで提供可能なため、誰でも調理できる。

そのため参入障壁が低く、単純作業に近いのでマニュアル化も容易で覚えることも少ない。

用意する設備も少ないため、出店までのスピードが非常に速い部分も優秀だ。

商品コストが安価

商品原価が非常に安い。
具体的には、経営する飲食店の原価率が30%であれば非常に優秀なのだが、タピオカ店は原価15~20%くらいが平均。

その分、1杯当たりの利益率が高いということだ。

さらに、タピオカは冷凍保存可能で、在庫として長持ちする点もメリットである。

人件費を抑えられる

調理から接客までワンオペで行えるため、非常に混み合う時間帯でなければオーナーだけで対応可能。

必要に応じてスポットでアルバイトを雇用すれば十分にお店が回るので、固定費を抑えた経営ができる。

FLコストが優秀

FLコストとは、売上に対してかかった「Food(食材費)+Labor(人件費)」を足したコスト指標の一つ。

タピオカ店の場合は、このFLコストに秀でているビジネスモデル。
つまり原価率が低く、人件費も安い。

一般的な飲食店はFLコスト50~60%の中で利益を出していく必要があるのだが、タピオカ店は平均30%程度に抑えられており、売上さえ確保できれば利益が出やすい業態であるということ。

利益率が高い

人件費と原価コストが低いということは、利益率が圧倒的に高いことを意味している。

薄利多売が一般的な飲食業界において、「厚利多売」というビジネスモデルが組み上げられていることが最大のメリットだろう。

通常の飲食店では撤退ラインとなる客足でも、高い利益率で粘れるのは強みの一つ。

広告宣伝費が任意

宣伝広告費をかけなくても、商品がSNS経由で拡散される傾向にある。
(※加盟するFCによっては、本部が一括宣伝する形で一部負担金を求められる場合も。)

自分から商品の売り出しを行わなくても、「タピオカ」というだけでSNS上で広がっていく力があるため、宣伝広告費を毎月用意する必要性は低い。

もちろん、他との差別化は必要だが、まだまだSNSでの拡散は狙っていけるラインなので強みと言える。

経営者が知るべきSNS戦略・マーケティングについては下記記事も参考にして頂きたい。

タピオカ開業のデメリット

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ここからは、タピオカ店で開業することのデメリットを解説していく。

強烈なメリット面がある業態だが、デメリットが無い訳ではない。

しっかりと弱みを理解し、開業の参考にして頂きたい。

流行に左右される

良くも悪くも流行に乗った商売になるので、タピオカブームの終焉と共に売上が低迷する可能性が高い。

ただし、認知度は高いため、ブームが終焉後も客足が途絶えることは無いだろう。

「タピオカドリンクを飲みに行く」のではなく、「〇〇だから行く」と思われるお店であれば問題ない。

立地の良し悪しが生命線

店頭販売型の場合は、「客足=立地」になってくる。
かと言って、「客足が多ければ何処でも良い」というのは間違い。

開業希望者の中には、先に立地の良い物件を決めてから業種や加盟先を検討する人も多いが、失敗する大きな原因になる。

正しくは、「お店のコンセプト」「売り上げ目標」「商品メニュー」などを先に決めてから、ターゲットを意識した最適な場所を探すことが”良い立地”の探し方になるからだ。

競合多数

タピオカブームに乗り、飲食店や異業種からも参入が激しい。
参入障壁が低いことはメリットだが、反対に競争が熾烈であることを意味している。

元から資本のある企業が好立地で矢継ぎ早に店舗展開するため、自分の店舗の売り上げが好調だとライバル店が出店してくる可能性も高い。

フランチャイズ店に勝つ難しさ

これは、完全に独立した開業が難しい業態であるということだ。

FC加盟を続けてロイヤリティを本部に収めるより、完全に独立したいと考える人も多く居るだろう。

仮に完全独立したとして、フランチャイズやチェーン系の店舗に勝つのは正直難しい。
なぜなら、個人で独立した場合は、客の流動性が高い立地で営業するしかないからだ。

例えば、「駅ナカ」や「ショッピングモール」であれば、夏でも冬でも客足が一定であり、安定した収益を見込める。
こうした場所を個人で出店することは難しいが、FC加盟していれば本部経由で出店できる可能性もあるのだ。

上記理由から、独立開業してもFC店との競争に勝つのは難しく、FC加盟が現実的な選択肢になる。

「稼げる・稼げない」を分ける3つの経営ポイント

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実際にタピオカ店の開業した後、「稼げる・稼げない」を分ける経営ポイントを解説しよう。

FCで開業する場合は「1」と「3」が重要だ。

立地と営業許可の取得

お店のコンセプト、商品ターゲットに合う商圏エリアで立地を探すことが大切。

移動販売を行ったり、お祭りでの出店を考える場合は営業許可の取得がカギとなる。

店頭販売の場合、ショッピングモールや駅ナカなどの場所でない限り、客の流動性が高い条件下で営業することになる。
近くに大型商業施設などの人気スポットがある立地など、安定した集客を意識して立地を決めることが重要。

逆に移動販売・お祭り出店は客足を追いかけることができるので、流動性はやや低い。
その分営業許可の取得が難しいため、早い段階から候補地を探しておくことが大切だ。

差別化・独自商品の開発

FC開業の場合は難しいが、他のタピオカ店ではなく「このお店に通いたい」と思われる仕組み作りを行うことが成功へのポイント。

思わず拡散したくなるようなメニューや盛り付け、器、ストローなど、集客のキッカケになる仕掛けを積極的に取り入れる。

どのお店の商品が話題になっているのか調べ、顧客ニーズを満たすものを提供できるように意識する。

他のタピオカ店と変わらないのであれば、より安く、好立地な競合に負けることになるのは必然だ。

固定費を徹底的に抑える

店舗運営・維持に必要な固定費を可能な限り抑えることも成功ポイントの一つ。

「固定費の減少=利益増加」と同じなので、家賃交渉なども積極的に行いたい。

人件費も必要最低限に留めるべきで、まずは自らが店頭で営業し、ピークタイムや人員配置を計画してから求人を出すと無駄がないだろう。

まとめ:低コストで開業可能「立地と差別化」が勝負を分ける

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タピオカ店は低コストで開業可能な業態だ。

しかし、その参入障壁の低さ故、ライバルが多いというデメリットも兼ねている。

その中で勝ち抜いていくためには「立地と差別化」の2つが特に重要。

客足がなるべく安定した地域で、ターゲットのニーズに合う商品を提供する。
そして、「タピオカが飲みたい」から「このお店で飲みたい」と思われるような仕掛け作りが、経営の明暗を分けることになるだろう。

ブームが終わった後も、タピオカを愛するファンが来てくれるお店作りを心がけて開業しよう。

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監修税理士・公認会計士からのコメント

タピオカ店は参入障壁が低く利益率が高い一方で、競合が多いため成功には他店との差別化が鍵になります。立地や広告宣伝にこだわる一方で、固定費などをできるだけ下げる努力も必要です。会計の管理をしっかりとして、毎月の損益を計算しておきましょう。

2020年12月17日起業準備

Posted by taxtech-editor