【2020】確定拠出年金とは?簡単にわかりやすく解説!運用のコツも紹介

2020年12月31日

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日本には老後資金を準備するためのさまざまな制度があり、その一つに「確定拠出年金」がある。

しかし、名前は聞いたことがあるが具体的な内容を知らなかったり、うまく活用する方法が分からないという人は多いだろう。

では、確定拠出年金は従来の年金制度とは何が違い、その種類にはどのようなものがあるのだろうか。

この記事を読むことで、確定拠出年金のメリットやデメリット、リスクなどを踏まえてそれぞれの特徴を理解し、自分自身でどのように資産を運用して行くかを検討できるようになるだろう。

「確定拠出年金(401k)とは?」日本の年金制度について

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日本には、老後の資金を確保するためにさまざまな制度がある。

確定拠出年金(401k)はその制度の一つであり、その内容を理解する上で欠かせないのが年金制度だ。

日本の年金制度は国民年金・厚生年金・企業年金等で構成されており、確定拠出年金は企業年金にあたる。
では、それぞれどのような違いがあるのだろうか。

国民年金

国民年金とは、20歳以上60歳未満の国民全員が加入することになっている年金制度である。

学生であっても20歳になれば加入することになっており、職業携帯により第1号被保険者〜第3号被保険者に分類される。

厚生年金

厚生年金とは、会社員や公務員として働く労働者とその配偶者・子供などの扶養者が加入する年金制度である。

つまり、サラリーマンなど一般企業に勤めている人は国民年金と厚生年金の両方に加入することになる。また、自営業者は厚生年金に加入することはできない。

企業年金

企業年金とは、厚生年金基金と確定給付企業年金、確定拠出年金に分かれた年金制度である。

厚生年金基金は母体となる会社と別の法人の基金によって資産運用・年金給付を行うもので、確定給付企業年金は会社と外部の生命保険会社などが契約して資産運用・年金給付を行うものである。

確定拠出年金は、会社や個人の掛金を従業員が自分で運用する制度である。

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企業型確定拠出年金は「退職金を自己責任で投資する仕組み」

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企業型確定拠出年金とは企業の退職金制度であり、企業が退職金用に用意したお金の運用先を従業員が自分で決めていくものである。

主に投資信託で運用するが元本保証の預貯金タイプや保険なども選ぶことができる。

そのため運用が上手くいっても失敗しても自己責任であり、退職金の金額には個人差が生じる。

「確定拠出年金」と「確定給付企業年金」の違い

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確定拠出年金は会社や従業員個人が掛金を支払って、従業員が自身で運用を行うものである。

銀行の定期預金のように積み立てるだけでなく、掛金を運用するためその結果によって受け取る金額が変動する。

対して、確定給付企業年金は個人ではなく会社や金融機関が資産の運用や管理を行う制度である。

また、規約型と基金型で運営を行う企業や金融機関が異なるのも確定給付企業年金の特徴だ。

個人で運用するか、会社・金融機関などが運用するかが二つの大きな違いである。

「公的年金」「私的年金」とは?

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年金制度の種類には、公的年金と私的年金があるが、加入が義務か任意かが大きな違いである。年金制度はこの公的年金と私的年金を合わせて構成されている。では、公的年金・私的年金とはどのようなものなのか、詳しく解説する。

公的年金

公的年金とは、国が社会保障の一環として運用している年金で、加入が義務付けられている年金制度である。
国民年金と厚生年金がこの公的年金にあたる。

10年以上納付し、年齢が65歳以上となれば期間に応じた基礎年金の給付金を受けることができる。

私的年金

私的年金とは、公的年金と別に任意で加入できる年金制度である。

公的年金は原則65歳にならなければ支給を受けられないが、確定拠出年金などの私的年金を活用することで、公的年金支給までの期間の生活資金不足を補うことができる。

確定拠出年金のメリット・デメリット

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確定拠出年金のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのだろうか。運用を行う加入者だけでなく、掛金を負担する企業側のメリット・デメリットも紹介する。

確定拠出年金の4つのメリット

  • 確定拠出年金の掛金を自分で拠出する場合、その掛金は所得控除の対象になるため、確定申告時に所得税や住民税の負担が少なくなる。
  • 積み立てた年金の運用によってプラスになった利益は全て非課税である。
  • 企業側は新しい福利厚生を社員に提供することで、社会保険料のコストを減らすことができる。
  • 企業側が掛金を拠出する場合、その費用の全額を損金として処理することができる。

確定拠出年金の4つのデメリット

  • 原則として60歳になるまで資金を引き出すことがでず、中途解約の要件が非常に厳しい。
  • 個人型確定拠出年金は口座の運用に手数料がかかる。
  • 自分で運用を行うため運用方法によっては積み立てた資産が元本割れしてしまう可能性がある。
  • 企業側は掛金を拠出するコストがかかる。

確定拠出年金の種類と違い

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確定拠出年金の種類には、個人型確定拠出年金と企業型確定拠出年金の二種類がある。では、この二種類にはどのような違いがあるのだろうか。

個人型確定拠出年金とは?(iDeCo/イデコ)

個人型確定拠出年金は掛金を加入者のみが拠出する年金制度である。会社員・公務員の他に自営業者や専業主婦なども加入の対象者となる点に注意が必要だ。

また、毎月拠出できる掛金に上限があり、職業や被保険者の属性によって異なる。

企業型確定拠出年金とは?(企業型/DC)


企業型確定拠出年金は、事業主である企業が実施主体で掛金を事業主が拠出する。加入の対象者は60歳未満の厚生年金被保険者(従業員・役員)だ。個人型同様、掛金の拠出には上限額が定められており、月額55000円が上限となっている。

また、企業年金を併用する場合は月額27500円が上限である。

運用商品とバランスの決め方

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個人型確定拠出年金や企業型確定拠出年金の運用商品に区別はないが、運営・管理機関である金融機関の設定する運用商品には「元本確保型」と「元本変動型」の2種類がある。

決め方としてはどちらを選択しても、運用商品や割合を後から変更することが可能であるため問題はない。

例として、「定期預金30%・保険25%・投資信託45%」から「定期預金25%・保険20%・投資信託55%」へ変更することもできる。

では、元本確保型と元本変動型にはどのような特徴があるのだろうか。

1.元本確保型

元本確保型には以下のような特徴がある。

  • 拠出した元本が確保され資産目減りリスクが最小限に抑えられる
  • ローリスクローリターンで資産を大きく増やせる可能性が低い
  • 満期を以前に保険商品をスイッチングした場合解約控除金が差し引かれる

なお、元本確保型の確定拠出年金の例として、定期預金や保険などがある。

2.元本変動型 元本割れ リスク ハイリターン

元本変動型には以下のような特徴がある。

  • 拠出した年金資産を運用した成果によって資産を大きく増やすことができ、リスクはあるがハイリターン
  • 運用成果によっては資産が減り元本割れのリスクが生じる

なお、元本変動型の例として投資信託が挙げられる。

運用する前に知っておきたい3つのコツ

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確定拠出年金の運用を決めても、何をどう選んで良いか分からない人も多いだろう。資産運用のコツは以下の通りである。

  • 投資対象を決める
  • 運用方針を考える
  • 運用管理費用(信託報酬)をチェックする

運用するに当たって大切なポイントを詳しく解説して行く。

バランス投資を意識する

確定拠出年金を運用するに当たって、バランス投資を意識することが重要なポイントだ。国内・海外の株や債券などタイプの違う投資先を組み合わせて分散投資することで、リスクに強くなるからである。

運用方針を考える

投資信託のパンフレットや運用レポートにある運用方針を確認することが重要なポイントとなる。代表的な運用方針は、ベンチマーク(参考指標)に連動した値動きを目指す「パッシブ型」とベンチマークよりも高い成績を狙うアクティブ型がある。

投資信託を利用するなら「運用管理費用」を確認する

運用管理費用の確認は投資信託を利用する上で重要なポイントである。投資信託の運用と管理にかかる手数料や運用の成果に関わらず生じる費用が「運用管理費用」だ。

これらを払っても納得の行くサービスやリターンが望めるかをよく考え、購入する投資信託を決定すべきである。

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まとめ:年金の積み立て運用で将来に備えよう

老後に十分な資金を確保するためには、年金の積み立てを行うことが必要不可欠である。

勤め先で確定拠出年金に加入しているのに、内容を良く理解していなかったり、運用の仕方が分からない人も多いだろう。

老後の金銭面での不安を無くすためには、日本の年金制度を知った上で、確定拠出年金の種類やそれぞれのメリット・デメリットを理解することが大切だ。

そして実際に資産を運用し、リスクと報酬のバランスを考えながら投資先や運用方針の決定・見直しを行うことで、60歳になった時に満足の行く年金を受け取ることができるだろう。

監修税理士・公認会計士からのコメント

確定拠出年金は退職金のお金を自分で運用していく制度のことを指します。この運用ででた利益は非課税である一方、60歳までは引き出せないので注意が必要です。しっかりと運用していくことで、老後も安心して暮らしていくことができます。

2020年12月31日税務サポート

Posted by taxtech-editor