会計記録の作成

2020年5月1日

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こちらでは会計記録の作成方法について解説しています。

会計記録エクセルの①入出金、②発生、③仕訳の3種類のシートに分けてご紹介します。
また、入力間違いしやすい取引、会計記録エクセルの完成例についてもご紹介します。

①入出金

「入出金」シートは現金預金が動くような決済取引で利用します。

【「入出金」シートの作成ポイント】
・基本情報の入力
・銀行の口座や小口現金ごとにシートの作成
・取引の入力
・入力した取引の10book上の仕訳

基本情報の入力

会社名や事業年度を入力します。

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銀行の口座や小口現金ごとにシートの作成

使用している口座や小口現金に合わせてシートを追加します。
また、それぞれのシートの口座名も入力しておきましょう。口座名が現金預金勘定の補助科目となります。

なお、シート名は「入出金 ○○」とする必要があるのでご注意ください。

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取引の入力

シートの準備ができたら、銀行口座の動きや小口現金の動きに合わせて取引を入力していきます。

入力内容に問題があると10bookにアップロードした際にエラーとなって取り込めないことがあるので注意が必要です。
入力時に気を付けたい点は次のとおりです。

・日付/金額(税込)/勘定科目欄は必須入力事項
・日付欄:yyyy/mm/ddで入力
・金額(税込)欄:入金はプラスで入力、出金はマイナスで入力

一行ずつ入力し、日付ごとに残高が一致しているかを確認しながら入力しましょう。

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入力した取引の10book上の仕訳

「入出金」シートに入力した取引の10book上の仕訳は次のような仕組みになっています。

・相手科目が「現金預金」となる
・金額(税込)欄がプラスの場合:「借方|現金預金 金額 / 貸方|勘定科目 金額」
・金額(税込)欄がマイナスの場合:「 借方|勘定科目 金額 / 貸方|現金預金 金額 」

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上記①、②のような取引を入力した場合のそれぞれの10book上の仕訳は次のようになります。

①「借方|現金預金 500,000 / 貸方|売上高 500,000」
②「借方|地代家賃 23,000 / 貸方|現金預金  23,000」

②発生

「発生」シートは現金預金の動きに関わらず、取引が発生した段階で利用します。

【「発生」シートの作成ポイント】
・基本情報の入力(※①入出金をご参照ください。)
・シートの作成(※①入出金をご参照ください。)
・取引の入力
・入力した取引の10book上の仕訳

取引の入力

シートの準備ができたら、発生した取引を入力していきます。

入力時に気を付けたい点は①入出金と同様ですのでそちらをご参照ください。

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入力した取引の10book上の仕訳

「発生」シートに入力した取引の10book上の仕訳は次のような仕組みになっています。

・表示科目マスタの相手方勘定科目が相手科目となる
・金額(税込)欄がプラスの場合:「借方|相手方勘定科目 金額 / 貸方|勘定科目 金額」
・金額(税込)欄がマイナスの場合:「 借方|勘定科目 金額 / 貸方|相手方勘定科目 金額 」

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上記①、②のような取引を入力した場合のそれぞれの10book上の仕訳は次のようになります。

①「借方|売掛金 50,000,000 / 貸方|売上高  50,000,000」
②「借方|地代家賃 2,000,000 / 貸方|未払金  2,000,000」

決済取引の入力

発生による取引入力の場合、その取引は将来必ず「決済」されることになります。発生主義による記帳の場合には発生と決済はセットです。その決済の取引は入出金を伴うことが多く、その取引は①で説明した「入出金」シートに記載されることになります。

「入出金」シートでは、発生時に計上される相手勘定科目(売上であれば「売掛金」、仕入であれば「買掛金」、経費の支払いであれば「未払金」)を入力します。

上記①、②のような取引を入力した場合のそれぞれの10book上の仕訳は次のようになります。

①「借方|現金預金 50,000,000 / 貸方|売掛金  50,000,000」
②「借方|未払金 2,000,000 / 貸方|現金預金  2,000,000」

これによって、発生取引で計上された売掛金や未払金が相殺され、2つの取引を合わせてみてみると、

①「借方|現金預金 50,000,000 / 貸方|売上高  50,000,000」
②「借方|地代家賃 2,000,000 / 貸方|現金預金  2,000,000」

となり、計上される日付が異なるだけで、「入出金」シートに入力した場合と同じ結果になります。「発生」シートではこのように、売上の計上時期と入金時期が異なる場合、又は経費の計上時期と支払時期が異なる場合に、それらが異なることを会計上表現する必要がある場合に使用することになります。

③仕訳

「仕訳」シートは振替伝票に相当するもので、通常の会計ソフトと同様に複式簿記の形式で仕訳を入力することができます。

【「仕訳」シートの作成ポイント】
・基本情報の入力(※①入出金をご参照ください。)
・シートの作成(※①入出金をご参照ください。)
・取引の入力
・入力した取引の10book上の仕訳

取引の入力

シートの準備ができたら、取引を入力していきます。

入力時に気を付けたい点は 次のとおりです。

・日付/借方勘定科目/借方金額(税込)/貸方勘定科目/貸方金額(税込)欄は必須入力事項
・日付欄:yyyy/mm/ddで入力
・借方金額(税込)/ 借方金額(税込) 欄:プラスで入力

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入力した取引の10book上の仕訳

「仕訳」シートに入力した取引の10book上の仕訳は、そのまま仕訳として認識されます。

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上記①、②のような取引を入力した場合のそれぞれの10book上の仕訳は次のようになります。

①「借方|商品 5,000 / 貸方|仕入高  5,000」
②「借方|地代家賃 500,000 / 貸方|未払金  500,000」

入力間違いのしやすい取引

会計記録エクセルへの入力を誤ると、誤った損益を認識してしまいます。
そこで、入力間違いのしやすい取引の例と正しい入力をご紹介します。

給与

給与は総支給額、交通費、社会保険料、源泉所得税、住民税などで分けて把握する必要があります。
しかし、手取り支給額一本で入力する間違いが多く見受けられます。

例)
総支給額:100,000円、交通費:2,000円、個人負担社会保険料:6,000円、源泉所得税:500円、住民税:500円、手取り支給額:95,000円のケース

よくある間違い

手取り支給額95,000円一本で給与を認識している。

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正しい入力

総支給額:100,000円、交通費:2,000円、個人負担社会保険料:6,000円、源泉所得税:500円、住民税:500円に分けて入力する。

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借入金

借入金は元本返済分と利息支払い分を分けて把握する必要があります。
しかし、支払額一本で入力する間違いが多く見受けられます。

例)
元本返済額:95,000円、利息支払額:5,000円、総支払額:100,000円のケース

よくある間違い

支払額一本で借入金の返済を認識している。

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正しい入力

元本返済分と利息支払い分を分けて入力する。

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敷金

事務所を賃貸する場合などに発生する敷金は会計上資産となります。
そのため、家賃などとは分けて把握する必要があります。しかし、支払額一本で入力する間違いが多く見受けられます。

例)
敷金:100,000円、家賃等支払額:150,000円、総支払額:250,000円のケース

よくある間違い

支払額一本で認識している。

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正しい入力

資産項目である敷金と費用項目である家賃を分けて入力する。

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資金移動

口座間や口座と小口現金間の資金移動がある場合には、会計記録エクセルデータの両方のシートに入力する必要があります。しかし、一方だけ入力が漏れるということが多く見受けられます。

例)
現金50,000円をみずほ銀行に入金

よくある間違

みずほ銀行シートでは取引を入力しているが、小口現金シートの方で取引の入力が漏れている。

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正しい入力

みずほ銀行シート・小口現金シートの両方で取引が入力されている。

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会計記録エクセルの完成例

会計記録エクセルの完成例をご紹介します。

第1期目

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第2期目以降

2期目以降でも入力方法に変更はありませんが、次の点を更新する必要があります。

・会計期間
・期首残高

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