徹底解説!経理アウトソーシングのメリット・デメリット

2020年11月9日

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経理業務は、毎日の業務に加え月次・年次で行う業務もあるため、仕事量の増減が激しい。
必要な時期に必要な人材を投入できれば苦労はしないが、本業が他にある社員を導入しては、本業が進まないという問題もある。

このように、必要な時に必要な人材を経理業務に投入できるよう、多くの企業が取り入れているのが経理アウトソーシングサービスだ。

本記事では経理アウトソーシングの特徴やメリット・デメリット、経理アウトソーシング選びのポイントを網羅的に解説しているので、アウトソーシングを導入するかどうかの判断材料に役立つ内容を展開していく。

本記事を読むメリット

経理はアウトソーシングの時代。メリットだけでなくデメリットもきちんと抑え、業務に活かすことができる。

経理アウトソーシングとは

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経理アウトソーシングとは、企業における経理業務を全て、またはは一部を代行してくれる業務委託サービスのことである。

経理業務の毎日の業務をはじめ、毎年・毎年の繁忙期に対して経理の専門集団が代わりに対応してくれる。

そのため、上手に利用すれば経理業務の効率化だけでなく、コスト削減も実現できるのだ。
経理アウトソーシングサービスには、直接企業に訪問する訪問型と、企業に訪問することなくオンライン利用して経理処理を行うセンター型の2タイプが主にある。

具体的な業務

経理アウトソーシングでは、具体的にどのような経理業務を依頼できるのだろうか。
基本的に、経理業務全てを経理アウトソーシングに依頼することが可能だが、以下の通り経理業務の一部を依頼することも可能である。

  • 日次・月次・年次業務
  • 記帳業務
  • 売掛・買掛金管理
  • 経費精算
  • 決算業無

上記以外にも、以下のとおり経理業務に関するコンサルティングだけでなく、経理業務経験者を実際に現場に派遣する紹介型派遣を行っている経理アウトソーシング会社もある。

  • 財務コンサルティング…M&AやIPO・PMI・資金調達のコンサルティング
  • 業務コンサルティング…業務全体の再設計・構築・クラウドシステムの導入支援
  • 紹介派遣…経理経験者を現場に派遣する

経理アウトソーシングにおけるメリット

経理アウトソーシングを利用する主なメリットは、大きく3つある。

①必要な時に必要な経理業務の運用が可能

経理アウトソーシングを利用すると享受できるメリットとして、必要な時に必要な経理業務の運用を行うことができるという点だ。

経理業務は常に忙しいというよりは、ある程度決まったタイミングで忙しさが変動する業務でもある。

経理アウトソーシングを利用することで、必要な時期・忙しい時期に必要な人員を補充することができ、業務の効率化に繋がる。

②コスト削減

経理アウトソーシングを利用することで、教育や繁忙期の人員補充にかかるコスト削減が期待できる

経理の繁忙期だけに他の業務を行う社員をヘルプとして配置する場合、教育の時間がどうしても必要になってしまい、本業がおろそかになりがちである。

経理アウトソーシングで派遣されるまたは実際に仕事を行ってくれる人材は、既に経理における専門的なスキルを持った人物である。

そのため、自社の経理人員を減らして他の業務へ配置ができるだけでなく、固定費も変動費に充てられるのだ。

③ミス・不正防止

経理アウトソーシングを利用することで、経理上の処理時に生じるミスを防止できるだけでなく、不正防止にも繋がる。

会社の規模が大きくなるにつれ、経理業務において少しでも数字の記載や見落としといったミスが発生すると、以降の数字もズレてしまうため正確性が何よりも重要だ。

そのため、場合によっては経理業務に熟練した人材に任せないと困難が生じる場合がある。
また、自社で経理業務を行うとどうしても特定の人間が経理業務をこなす様になってしまうため、不正に繋がりやすい。

経理アウトソーシングを利用すると、他社に所属する経理業務の専門家へと業務委託という形になるため、経理業務がオープンになる。

経理業務が経理の専門家にオープンになることでミスや不正の防止にも繋がるだけでなく、契約範囲内で相手に補償を求めることも可能となるのだ。

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経理アウトソーシングにおけるデメリット

経理アウトソーシングは企業の経理業務の手助けになるメリットがある一方で、知っておきたいデメリットもある。

①社内で経理業務をこなす人材が不足する

経理アウトソーシングに経理業務を委託すると生じるのが、社内に経理業務ができる人材が不足してしまうという点だ。

経理業務を一貫して経理アウトソーシングに依頼してしまう事で業務内容がわからなくなってしまい、技術や知識面において社員が学ぶ機会がなくなってしまう。

それだけでなく、経理アウトソーシングに任せていた業務内容をマニュアル化しないと引継ぎが難しくなってしまうという問題もある。

経理アウトソーシングへの頼りすぎには注意し、双方間で上手く意思疎通を計りながら一緒に行う準委託という方法で解決ができる。

②セキュリティ問題

経理アウトソーシングに業務委託をすることで生じるのが、セキュリティ面での問題だ。
経理アウトソーシングを選ぶ際にコスト面ばかりを見て、セキュリティ対策の項目を見落としていることから生じる問題である。

経理アウトソーシングも、外部の企業である。
経理アウトソーシングに業務を委託するということは、社内のデータを外部へ公開するということになる。

セキュリティに関する記述やセキュリティに対する教育システムがあるかをしっかり確認して、依頼する必要がある。

③運用や問題解決に時間がかかる

経理アウトソーシングでは良くあるのだが、契約から実際の運用の期間だけでなく、トラブル発生時の問題解決に時間がかかりやすい。

実際に経理アウトソーシングを利用する場合、双方で業務内容・責任範囲を明確にし、契約や仕様書を交わして合意に至らないと経理アウトソーシングを稼働することができない。
それだけでなく、書類を交わすのにも時間がかかるのだ。

また、実際に可動後に問題が発生した場合もアウトソーシング会社への確認を行ったうえ問題を解決していくため、業務上の時差が発生する。

特に、変化が大きい成長期の企業では経理アウトソーシングを導入することで逆に柔軟性にかけてしまう事もあるので、気を付けたい。

選ぶ上で重視すべきポイント

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経理アウトソーシングには会社毎に値段差がある。
そのため、費用が安いからと言って値段だけで安易に委託先を決めることなく、慎重になることが必要だ。

経理アウトソーシング会社を選ぶ上で重視すべきポイントは3つあるので参考にしたい。

作業範囲

経理アウトソーシングに経理業務を委託する場合、作業範囲を必ず確認しておこう。

記帳のみ依頼するのか経理業務全般を依頼するのか
経理以外の会計や財務・税務も依頼するのか
頼りすぎない程度にするか

自社の経理業務をどこまで委託業者が行うのかで、費用も変動する。

アウトソーシングで見込める効果

経理アウトソーシングを採用する際に、実際にアウトソーシングでどのような効果が見込めるかも重視したい。

会社によって、アウトソーシングを取り入れることで見込みたい効果はそれぞれある。
コスト削減
業務安定化
社員の作業軽減
業務改善・効率化
経理業務を再構築

経理アウトソーシングを取り入れる際は、自社で何が問題になっていて、経理業務のどこを解決したいかを良く考えながらアウトソーシング会社を選ぶと良い。

常駐や来社などの形態

実際に、経理アウトソーシングの担当者にどのように業務を行ってもらいたいかの形態も重要だ。

前述の通り、経理アウトソーシングには主に会社に直接訪問の訪問型とオンラインを経由して処理を行うセンター型の2種類がある。

どのように業務を行ってもらうかも予め検討したうえで、自社の希望するアウトソーシング形態もしっかり考慮したい。

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まとめ:経理はアウトソーシングの時代

経理アウトソーシングを利用すると、自社の抱える経理業務上の問題が解決される。
実際に経理アウトソーシングを利用する場合は、自社の経理業務で何が問題かや何を重視したかを洗い出したうえで会社を検討しよう。

一方で、会社規模によってはアウトソーシング会社に全て任せっきりになり、経理業務ができる正社員がいなくなってしまわない対策もしっかりと行うことが大切である。

また、経理アウトソーシングを利用する際は、実際の現場運用までの時間を逆算しながら、滞りなく導入できるように、計画を立てながら準備をしたい。

どこまでをアウトソーシングに任せて、どのような効果を見込めるか、作業形態をどうするかをしっかり検討したうえで、自社の経理業務における最良の方法を選択したい。

2020年11月9日税務サポート

Posted by taxtech-editor