個人塾経営の今後とは!?学習塾業界で勝ち抜くための秘訣も公開
昨今、フリーランスとしての働き方が定着してきており、独立開業する人も増えている。
独立しておこなう事業の中でも、個人塾の経営を考えている人もいるだろう。個人塾は、教員免許を持っている方や指導したことのある人であれば、今までの経験を活かせるビジネスだ。
しかし、いざ個人塾経営を考えると、今後の需要や他の塾との差別化をどうするのかが悩ましいところである。
そこで今回は、個人塾経営の需要と経営するにあたって意識しておきたい点を解説しよう。
個人塾経営の需要
個人塾経営の需要は、今後も伸び続けることが予想される。
伸び続ける背景には、ICT教育の導入が考えられる。ICT教育とは、学校の授業などでタブレットを使用してデジタル教育をおこなうことだ。
こうしたICT教育が発展していく中で、デジタル人材の育成も求められる時代へと変わってきている。今まで通りの国語・算数・理科・社会・英語といった基本科目だけではなく、プログラミングの必修化などを引き金に、今後のデジタル化に対応していかねばならないのだ。
しかし、個人塾の需要が伸び続けている一方で、少子化によって生徒数は減少している。したがって、母数が減って需要が伸びている状態なので、塾業界での競争がより激化していると言えるだろう。
しかも、多くの生徒は大手の塾を選択してしまうため、個人塾が生き残っていくためには、ビジネスプランを立てたうえで戦略的に経営をおこなわなければならないのだ。
需要自体は伸びているので、新しいビジネスプランを考えて経営をおこなっていこう。
個人塾経営をするための手段
個人塾経営をしようと思っても、どのように経営していくのかが分からないところだ。ここでは、個人塾経営をするための手段を解説しよう。
独立して開業
個人塾経営をする1つ目の手段は、独立して開業することだ。
独立するのは、個人でやることになるので集客・場所の確保・指導を全て一貫してやらねばならない。とくに、集客面は大手の塾と対抗するためにも力を入れて取り組まなくてはならないだろう。
大手の場合は、資産に余裕があるため費用を広告費に回せる。広告が回ればそれだけ集客にもつながるため、どうしても大手と個人で差が出てしまうのだ。
そこで、独立して開業する場合にはSNSを使った広告やSEO対策をするなど、費用が大きくかからない広告で進めていくと良いだろう。
FC(フランチャイズ)を利用
個人塾経営をする2つ目の手段は、フランチャイズを利用する方法だ。
フランチャイズとは、フランチャイズの本部に加盟金をおさめることで、店舗の導入から経営をする権利をもらえることである。
イメージとしては、ある程度の資金をおさめることで、店舗をそのまま任せてもらえるといった形だ。
フランチャイズは、開業自体が初めてという人におすすめの方法だ。なぜなら、フランチャイズによって店舗を運営することで、店舗を経営する経験が積めるからである。
フランチャイズで店舗運営を経験してノウハウを蓄積したら、独立して開業するという方法が良いだろう。
フランチャイズについては、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
個人塾経営で勝ち抜くために必要なこと
個人塾経営をして他の学習塾に勝つためには、ただ単に経営しているだけでは差別化が図れないものだ。勝ち抜くためには、力を入れなければならない点がある。
ここでは、個人塾経営で勝ち抜くために必要なことを解説しよう。
マンツーマンの指導に力を入れる
1つ目は、マンツーマンの指導に力を入れることだ。
個人塾として運営していくなら、個人で対応するのをおすすめする。なぜなら、集団で授業をするスタイルよりも、個別で対応する形式の需要が伸びているからだ。
今までは、塾といえば1人の講師に対して20人の生徒がいるといった状態が多く見られた。しかし最近では、ICT教育の進展やニーズの多様化によって、集団形式の授業スタイルの需要が大幅に減っているのだ。
今の塾業界では、一人ひとりに合わせた指導が求められている。個人塾の場合は、大手塾との差別化を図るためにも、マンツーマンの指導に力を入れて差別化を図っていこう。
集客に力を入れる
2つ目は、集客に力を入れることだ。
個人塾と大手塾の大きな違いの1つが「集客」である。個人塾経営をするうえで、まずは重要になるのが生徒数の確保だ。どれだけ素晴らしい指導やコンテンツを用意していたとしても、指導する生徒がいなくては話にならない。
集客は、個人塾が広告費に大きな費用を割くのは難しいため、できるだけ金銭的なコストがかからない方法をおすすめする。具体的には、SNS運用やSEO対策などだ。
SNS運用については無料でおこなえるため、個人塾経営をするなら必ずやっておきたいところだ。SNS経由での申し込みも期待できるため、塾の情報発信だけではなく、個人としての情報発信も重要である。
SEO対策は、個人塾のホームページを用意しておくことで、入口を増やせるため余裕があれば作っておきたい。ホームページの中では、教育に関するブログなどを設置し、SEOからの流入も期待できるようにしておけば効果的だろう。
集客については、下記の記事も参考にしてほしい。
システム導入による効率化
3つ目は、個人塾経営に役立つシステムを導入することで、効率化を図っていく方法だ。
個人塾を経営した当初は、やるべきことが多すぎて本来注力すべき集客や指導内容に手が回らない状況になるだろう。そこで、事務作業を簡略化するためにシステムの導入やRPAの導入がおすすめだ。
事務作業は、システムの導入によって簡略化されるケースが多いため、今後も継続使うことで時間的コストの削減につながる。
システムとRPAを組み合わせることで、定型化された事務作業は削減され、取り組む必要性の高い業務をこなしていけるだろう。
個人塾経営をするときの注意点
個人塾経営をするときには、注意すべきことがある。他の学習塾に負けないためにも、意識しておきたいところだ。ここでは、3つの注意点を紹介しよう。
月謝を安くしすぎない
1つ目は、月謝を安くしすぎないことだ。
個人塾が大手塾に勝つためには、安さしかないといって価格を下げてしまうと、色々と影響が出てしまう。
たとえば、安くしすぎたあまり塾に入る生徒の数が増えて、いわゆるやる気のない生徒ばかりになる危険性があるのだ。親御さんとしては、価格も安いしとりあえず入れておくかという考えの方もいるため、本当に学習意欲のある生徒だけに絞るのは難しい。
塾全体の評判にも関わってくるため、価格以外の部分で勝負ができるように経営をしていこう。
大手の真似をしない
2つ目は、大手の塾を真似しないことだ。
個人塾が大手の塾を真似しても、結局は知名度で大手の塾が勝っているため、実績のある大手塾を選ぶ人が大半だろう。
大手塾との差別化を図るためにも、その塾にしかない魅力を徹底的に押し出していくのがおすすめだ。
人口が少ない場所で開業しない
3つ目は、人口が少ない場所で開業しないことだ。
人口が少ない田舎では、ほとんどが大手の塾に生徒を持っていかれてしまう。なぜなら、そもそもの生徒数が少ないため、個人塾に通う割合も減ってしまうからだ。
個人塾として開業する場合は、大手と違ってマンツーマンで対応できるのがウリとなるので、人口の多い場所を選んで違いをアピールしていくのが良いだろう。
まとめ:個人塾経営の需要は今後も維持される
今回は、個人塾経営の今後と気を付けておきたい点を解説した。
個人塾は、今後も需要が伸びる一方で、少子化の影響で塾業界の競争が激化している。他の塾との差別化を図るためにも、他にはない魅力を徹底的に押し出していくべきだ。
これから個人塾経営をしたい人は、今回の記事を参考に開業に向けた取り組みをしていってほしい。
監修税理士・公認会計士からのコメント
個人塾は、今後も需要は伸び続けます。しかし、少子化の影響で競争は激化していくので、経営面からしっかりとアプローチをしていきましょう。