創業融資をするための方法って何があるの!?保証協会についても解説
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近年、終身雇用の時代は崩壊していると叫ばれている中、自分自身でビジネスをはじめるために起業する人が増えている。その中には、新規事業をおこなうために初期費用が必要なため、融資を検討している人もいるだろう。
しかし、融資をするにもこれからビジネスをはじめるという段階の場合、返済能力がないとみなされてなかなか審査に通らないもの。そこでおすすめしたいのが、これから新規事業をはじめる人に向けた融資制度の利用だ。
融資制度を利用することで、一般的な融資をするよりも審査に通りやすいのはもちろん、手数料なども低いのがほとんどである。
今回は、創業融資について解説し、実際に創業融資を利用できる保証協会を紹介しよう。
目次
そもそも創業融資とは
創業融資とは、新規でビジネスをはじめるときの資金調達をお得にできる融資制度のことだ。
新規でビジネスをはじめる場合、初期費用が必要になる。ある程度まとまって資金が必要となるため、融資制度の利用を検討する人が多い。しかし、一般的な融資の場合は審査が難しいのと、手数料も高く付きやすいだろう。
そこで利用できるのが創業融資だ。融資手段にもよるが、一般的なカードローンによる融資で手数料が10%程度であるのに対して、創業融資では2%~3%程度となっており、非常にお得である。
新規ビジネスをはじめる人は、利用しない手はない制度といえるだろう。
創業融資をする3つの方法
創業融資について理解したことで、実際に利用したいと思った人もいるだろう。ここでは、創業融資を利用する2つの方法を解説する。
日本政策金融公庫
1つ目は、日本政策金融公庫で利用する方法だ。
日本制作金融公庫とは、株式会社日本政策金融公庫法に基づいて2008年10月1日付で設立された財務省所管の特殊会社。日本に5つある政策金融機関の一つである。
日本政策金融公庫では、さまざまな分野の支援制度をおこなっており、起業支援制度もその一環だ。新規事業を考えている人に対してもおこなっており、代表的な制度が「新規開業資金」である。
新規開業資金は新規事業を開始する人か、もしくは事業を開始してから7年以内の人が対象だ。
融資の限度額としては7,200万円となっており、そのうち4,800万円を運転資金としている。運転資金とは、新たに事業を開始するときに必要となる資金のことだ。今回の場合では、運転資金と残りは設備資金となる。
それぞれ返済期間は設備資金を20年以内、運転資金を7年以内としている。
日本政策金融公庫については、下記の記事でも解説しているので参考にしてほしい。
保証協会
2つ目は、保証協会で利用する方法だ。
保証協会とは中小企業や小規模事業者に向けて、資金調達をサポートする団体である。保証協会は、47都道府県と4市に設置されており、地域ごとの利用が可能だ。
仕組みとしては、事業者・保証協会・金融機関の3者間でとりおこなわれ、保証協会が金融機関から融資をしつつ、代位弁済という形で成立している。
したがって、通常の銀行融資と比べても、大幅に金利を低く融資を受けられるのだ。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、自分がこれから実現したい製品やサービスをインターネット上に公開し、実現するために必要な資金を募る方法だ。
出資してくれる人は、自分のアイデアに共感してくれる人となる。しかし、事前に公開するため、事前に特許を出願して盗用されるリスクを減らす必要がある。
初期費用がかからないため、アイデアさえ立派なものであれば資金を募れる方法だ。クラウドファンディングについては、下記の記事で詳しく解説しているため参考にしてほしい。
創業融資を利用できる保証協会の例
創業融資を利用するなら、低い金利で利用ができる保証協会がおすすめだ。保証協会は、各都道府県に設置されているため、地域ごとに利用ができる。
しかし、地域によって利用条件や内容が異なってくるため、ここではいくつか代表的な保証協会の紹介をしよう。
東京信用保証協会
1つ目の保証協会は、東京信用保証協会だ。
東京信用保証協会では、資本金と従業員数のどちらかが利用条件に合致していれば利用ができる。
申し込みをする場合は、金融機関を経由して申し込むか東京信用保証協会に直接申し込むかの2種類がある。どちらの場合でも、利用する手数料に差がでてこないため、申し込みやすい方を利用しよう。
審査時のポイントとしては、
- 保証資格を満たしているか(先述した条件を参考のこと)
- 資金使途が適切であるか(目的や融資による効果測定)
- 返済能力があるか(資金調達力が十分であるか)
- 経営者に能力があるか(企業経営力や信頼はあるか)
があげられる。
利用時にかかる手数料は、条件によって変更はあるものの0.45%~2.20%となっている。事業目的や経営方針によってさまざまな制度が用意されている。
大阪信用保証協会
2つ目の保証協会は、大阪信用保証協会だ。
大阪信用保証協会は、 創業融資向けに以下の制度がある。
- 開業サポート資金(開業資金A)
- 開業サポート資金(開業資金B)
- 開業サポート資金(地域支援ネットワーク型A)
- 開業サポート資金(地域支援ネットワーク型B)
- 金融機関連携型創業関連保証(ES保証)
- 金融機関連携型創業等関連保証(ES保証プラス)
制度によって金額は異なるが、融資額は1,500万円か2,000万円が上限とされている。全てに共通しているのは、大阪府内で事業を始める人だ。
大阪府で新規事業を始める人は、ぜひとも利用したい制度である。
京都府信用保証協会
3つ目の保証協会は、京都府信用保証協会だ。
京都府信用保証協会は、創業融資として以下の制度がある。
- 創業等関連特別保証制度
- 創業関連特別保証制度
- 再挑戦支援特別保証制度
- 産業活力推進融資 開業・経営承継支援資金
- 産業活力推進融資 開業・経営承継支援資金
融資額の上限は、制度によって異なり1,500万円か2,000万円となっている。京都府内で新たに事業を始める人が利用できるのだ。
保証人が不要で、経営支援サービスもおこなっているため、初めて事業をする人にとっては嬉しいサービスだ。
まとめ:創業融資を利用するなら保証協会がおすすめ
今回は、創業融資について解説し、実際に利用されている保証協会を紹介した。
創業融資をする方法としては、以下の3つがある。
- 日本政策金融公庫
- 保証協会
- クラウドファンディング
この中でも保証協会は、地域に根付いたサポートをおこなっているため、手数料やサポート含めてお得に利用できる。
これから事業を始めたい人は、今回の記事を参考に保証協会の創業融資を利用してみてはいかがだろうか。
監修税理士・公認会計士からのコメント
保証協会は、創業融資として利用できる団体です。これから事業を始めたい方は、創業融資の一つとして保証協会の利用も検討してみましょう。