税理士も沢山見てきた。。経営者が直面する【人材採用の課題】

2020年6月30日

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

組織のトップとして日々さまざまな問題を解決していかなければならない経営者。中でも、誰もがぶつかるのが「人材採用」の課題ではないだろうか。求人が飽和している今、求めている人材を採用するのは簡単なことではない。そこで今回は、人材採用の課題や戦略、おすすめの採用方法についてご紹介する。

本記事を読むメリット

  • 採用に関しての課題をクリアにして具体的にどのような方法を取れば良いのかを明確にできる

人材採用の課題がない会社はほぼない?

「求人を出してもなかなか応募が集まらず、常に人手不足」「せっかく採用が決まってもすぐに辞めてしまう」など、多くの経営者を悩ませる人材採用の課題。厚生労働省によると、2020年1月の有効求人倍率は1.49倍。求職者1人に対して1.49の求人があり、求職者が仕事を選べる立場であることが分かる。つまり、現在日本では多くの企業が人材不足であるということだ。

人材採用の課題一覧

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出典元:『マンパワーグループ』4割の企業が不調に悩む「中途採用」。人事担当者が抱える課題とは?

人材採用には、上記のようなさまざまな課題がある。全体の6割以上は「応募者がなかなか集まらない」(64.1%)と回答している。次いで多いのが「求める人材の確保が難しい」(56.6%)、「ターゲットとしている人材以外からの応募が多い」(35.1%)という回答。

また、「採用コストが高い」(32.7%)、「採用前に、応募者の実力を見抜けない」(31.1%)、「採用後、早期離職が多い」(22.7%)などの課題もある。計画通りの採用数を満たすには応募数を集めなければならないが、求人媒体によっては採用コストが高いこともある。せっかく採用できても、スキル面でミスマッチがあったり、求人者に対する情報不足でギャップを生んでしまったりすることもある。

求人が飽和状態となっている現在はそもそも応募者を集めること自体が難しく、さらに求めている人材を確保することのハードルは高い。応募数を集めた上で、募集・選考におけるマッチングの手段を考えることが課題といえる。

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貴社の人材採用に戦略はあるか

貴社では、人材採用の際に戦略を立てているか。必要な人材を集めて人手不足を解消するには、戦略立てて採用を行うことが大切である。戦略を立てずにただ闇雲に人材採用を行っても、必要な人材を確保できないだけでなく、ミスマッチによる早期離職、業務効率の低下などの原因にもなる。

さまざまな問題を未然に防ぎ、採用活動を成功させるには、戦略がとても重要だ。何を目的に採用を行うのか、どのような人材がほしいのか、採用目標数や採用担当者、求人手法なども決めてしっかりと戦略を立てておこう。

具体的な人材採用の方法とおすすめ手段

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「戦略を立てて人材採用を行う」とは言っても、具体的にどのように進めたら良いのか分からないという方も多いだろう。そこでここでは、具体的な人材採用の方法とおすすめ手段をご紹介する。

自社のアピールポイントを把握する

実態がよく分からない会社に応募する求職者はいない。求職者に興味を持ってもらうためには、自社のアピールポイントを伝えることが大切である。他社との差別化ポイントや企業理念、欲しい人材を明確化し、自社のアピールポイントを把握する。

「自社の良いところはすべて伝えたい」と経営者は思うかもしれないが、アピールポイントはたくさんあれば良いものではない。アピールポイントが多すぎると、「人を集めるために良いことばかりを言っている」と逆効果になってしまうこともある。

人材採用のアピールポイントで大切なのは、「求職者の目に留まるアピールかどうか」だ。軸となるアピールポイントを一つ決めて、それを裏付ける具体的な情報を伝える。すると求職者は入社後をイメージしやすくなり、目に留まりやすい。仕事内容、給与、雇用条件、福利厚生など充実した情報を公開し、信頼してもらうことも大切だ。

ペルソナを明確に設定する

自社のアピールポイントを把握出来たら、そのうえでペルソナを絞り込み、求人票のテーマを決める。ペルソナとは「人格」という意味の言葉。採用におけるペルソナは、自社で採用したい人材の年齢や性別、家族構成、ライフスタイルなどを綿密に設定し、架空の人物をつくりだすことである。ペルソナを設定しておかないと、どんな人材を採用するか社内で考えが統一されない。

ペルソナを設定するには、まず経営者、現場、人事の3つの立場から意見を集約する。どれか1つの立場に意見が偏っていると、結局は面接で不採用となったり、安定した成果が得られなかったりと、採用がスムーズに進まないばかりかミスマッチの原因にもなる。

より具体的なペルソナを設定するためには、会社内で求める人材に近い社員をピックアップし、学歴や仕事の実績、行動を分析していくことが効果的だ。これにより、自社に欲しい人材の共通点が明確になり、ペルソナを設定しやすくなる。ペルソナを作成するときは、現在必要としている人材だけではなく、先を見据えてどのような人材が必要になるかを考えることも大切だ。

自社に適した採用方法を選定する

たくさん人材を集めたいからと言って、あれもこれも採用方法に手を出すのは避けた方が良い。コストがかさんでしまうだけでなく、採用の効率も悪くなってしまい逆効果だ。人材採用を成功させるためには、数ある採用方法の中から「自社にとって効果的な採用方法」を絞り込んで活用することが重要である。

採用方法には、以下の方法がある。

  • 求人媒体
  • 人材紹介・人材派遣
  • 自社採用サイト・採用ホームページ
  • 説明会・イベント
  • ハローワーク/大学・専門学校の学校就職課
  • SNSの活用
  • 知人の紹介

採用コストが低いのは、ハローワークや大学・専門学校の学校就職課、知人の紹介である。近年は、広く認知を拡大することができるSNSを活用した人材採用も注目されている。人材の質を高めたいなら、 自社採用サイトも効果的だ。自社の経営理念にしっかり共感し興味を持った求職者が応募してくれる可能性が高い。

採用人数や応募者に求めるスキルや経歴、採用にかけられる期間やコストに合わせて適した採用方法を選ぼう。

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まとめ

今回は、人材採用の課題や戦略、おすすめの採用方法についてご紹介した。会社の経営は、経営者1人が努力していても上手くいかない。経営理念に共感し、同じ目標に向かって働く人材が必要だ。人材採用によって会社の将来が左右されると言っても過言ではない。自社のアピールポイントや欲しい人材をしっかり明確化した上で、最適な採用方法を選ぼう。

2020年6月30日経営者の課題と解決策