独立支援制度を使って賢く起業しよう!制度の概要やメリット・デメリットを解説
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将来独立を考えている人にとって、知っておきたい制度の1つである「独立支援制度」。
同じような制度としてフランチャイズがあるため、同じものと勘違いしてしまう人も多いのではないだろうか。
独立支援制度には数多くのメリットがあるため、これから企業を考えている人は知っておくと良いだろう。
そこで今回は将来的に独立したいと考えている人へ向けて、以下の内容をご紹介する。
・独立支援制度とは
・独立支援制度を利用するメリット・デメリット
・公的機関が行う独立支援3選
独立支援制度についてわかりやすく説明した内容となっているため、今後独立する予定のある人はぜひ参考にして欲しい。
目次
独立支援制度とは?
将来的に独立したい人にとって「独立支援制度」とは、よく耳にするのではないだろうか。独立希望者にとってメリットの多いこの制度は、将来のためにもぜひ知っておきたいところである。
ここでは独立支援制度の概要と、フランチャイズとの違いについて解説していく。
独立支援制度の概要
独立支援制度とは、いわゆる「のれん分け」のことである。
将来独立を希望している人が、会社で経験を積んだ後に独立するのを支援する制度で、飲食店などでよく使われている。
ポイントは「会社が独立をサポートしてくれる」という点だ。
会社によっては独立に必要な人材・資金を提供したり、屋号をそのまま使うことを許可している。
独立には資金や従業員の雇用が必要になるため、会社からのサポートがあることで独立のハードルを下げることができるのである。
また、独立した際に経営について相談に乗ってくれる会社もあるので、起業したての人にとっては心強い味方となるのだ。
フランチャイズとの違い
独立支援制度と勘違いされがちなのが、コンビニなどで知られる「フランチャイズ」だ。
フランチャイズと独立支援制度の大きな違いは「経験を積む必要があるかどうか」である。
フランチャイズは、資金さえあれば加盟店になることができるため、実際に働いて経験を積む必要はない。
しかし、独立支援制度は実際にその会社で働き、経験やノウハウを得ることが必要となるのだ。会社によっては継続勤務◯年といった条件が加わるため、独立支援制度を利用したい場合には事前に調べておく必要がある。
どちらもそれぞれメリットやデメリットがあるため、自分がどのような方法で独立したいのか考えておくと良いだろう。
独立支援制度を利用するメリット・デメリット
これまで独立支援制度とフランチャイズの違いについて、詳しく解説してきた。
実際のところ、独立支援制度にはどのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。
これから独立支援制度を利用する人はぜひ参考にしてほしい。
独立支援制度を利用するメリット
独立支援制度は、将来独立を考えている人にとってうれしいメリットが多い。
主な独立支援制度のメリットは以下の通りである。
①経営のノウハウを得ることができる
会社で働きながら得られるのは給与や技術だけではない。
実際に社員として働きながら、経営に関するノウハウを学ぶこともできるのが最大のメリットだ。
「福利厚生はどうすればよいか」「給与は適切か」など、社員と経営者の目線で見つめることができる。
通常であれば起業した後、試行錯誤しながらノウハウを学んでいくのが一般的である。
しかし、独立支援制度を利用している人であれば、早い段階から経営ノウハウについて触れることができるのがメリットなのだ。
②本部に相談しやすい
経営について困ったことがあったとき、相談できる相手というのは意外に少ないもの。
このような相談の場合コンサルティング料金として費用が発生してしまうことが多いが、独立支援制度を利用している場合には本部に相談することができる。
独立支援制度を利用する場合には、本部も同じような業態であることが多いので、相談しやすいというメリットもあるのだ。
③本部のブランド力を利用できる
起業したての場合、知名度がないことが最大の弱点である。
しかし、独立支援制度で本部の屋号を利用していればその心配は必要ない。
本部のブランド力を利用することで集客がしやすく、独立したてでも経営が安定しやすいメリットがあるのだ。
独立支援制度を利用するデメリット
今後の独立について考える時に重要なのが「独立支援制度を利用するデメリット」
ではないだろうか。
知っておきたい独立支援制度のデメリットは以下の通りである。
①経営方針の自由度が低い
これは独立支援制度を利用する最大のデメリットといえる。
本部に独立を支援してもらう分、仕入れ先や営業時間、経営方針などを決められる形になることがほとんどだ。
これは「独立して自分のやり方で経営していきたい」という人には大きなデメリットとなる。
独立を考える際には「本部からのサポート」と「自分の際量で経営すること」のどちらを優先させたいのか考えておくと良いだろう。
②独立するまでに時間がかかる
フランチャイズは資金があればすぐ加盟店になれるのに対し、独立支援制度は一定期間社員として勤務する必要があるため、独立までに時間がかかるのがデメリットの1つである。
見方によっては、社員として働きながら資金を貯めることができるメリットとも捉えることができるので、いずれにせよ独立支援制度を利用するには時間がかかるということは知っておくと良いだろう。
公的機関が行う独立支援3選
これまで紹介した独立支援制度は、主に企業で取り入れているものである。
しかし、各自治体などの公的機関でも、さまざまな独立支援制度を取り入れているのだ。
ここでは公的機関が行なっている独立支援制度について、詳しく解説していく。
①独立行政法人中小企業基盤整備機構
独立行政法人中小企業基盤整備機構では中小企業や小規模起業者に独立支援を行なっている機関だ。独立したての企業ばかりでなく、成長期・成熟期の企業に対してもさまざまなアドバイスを提供しているため、知っておくと良いだろう。
独立行政法人中小企業基盤整備機構からは、以下のような支援サービスを受けることができる。
・事業引き継ぎ
・経営改善
・海外展開
・社内ツールのIT化
・人材育成
・新型コロナウイルス感染症に関する支援
このようにそれぞれの企業のステージごとにさまざまな相談ができるため、これから独立を考えている人は事前に調べておこう。
②都道府県等中小企業支援センター
都道府県等中小企業支援センターは、それぞれの自治体ごとに中小企業を支援するためのセンターとなっている。
すでに独立した企業は「各種補助金の紹介」「事業拡大の相談」などのアドバイスを受けることができ、これから独立する企業には「事業可能性の評価」を行なっているのだ。
都道府県等中小企業支援センターの提供する支援サービスは以下の通りである。
・各種補助金の案内
・経営アドバイザーの派遣
・海外進出に関する相談
・設備投資に関する相談
都道府県等中小企業支援センターでの支援サービスは自治体によって少しずつ違ってくる。そのため自分の管轄の都道府県等中小企業支援センターについて事前に調べておくと良いだろう。
③よろず支援拠点
よろず支援拠点は国が設置した経営相談窓口である。
全国に設置されており、無料で何度でも相談できるのが最大のメリットだ。
さらによろず支援拠点ではさまざまな分野の専門家がいるため、幅広い悩みに対応できるのも特徴である。
よろず支援拠点は以下のような支援実例があるので、ぜひ参考にして欲しい。
・後継者不足に関する悩み
・売上拡大に関する相談
・事業再生に関する相談
無料で相談できるため、経営の悩みなどはよろず支援拠点に相談するのがおすすめだ。
まとめ:独立支援制度で独立への準備を進めよう
今回は将来的に独立したいと考えている人へ向けて、以下の内容を解説してきた。
・独立支援制度とは
・独立支援制度を利用するメリット・デメリット
・公的機関が行う独立支援3選
独立支援制度を利用することで以下のようなメリットがある。
①経営のノウハウを得ることができる
②本部に相談しやすい
③本部のブランド力を利用できる
どんな人にとっても経営を続けていくことは難しいもの。
このようなサポートを受けることで経営が続けやすく、リスクも少なくなるのが最大のメリットであるといえる。
さらに公的機関が行なっている独立支援についても紹介したので、ぜひ今後独立する際の参考にして欲しい。
監修税理士・公認会計士からのコメント
独立支援制度を利用することにより、あらゆるサポートを受けつつリスクの少ない企業が実現します。公的機関においても独立支援制度を行っており、開業後に相談できる場として利用するのも良いでしょう。