起業するなら! 【事業計画書】は準備しよう。

2020年6月7日

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本記事を読むメリット

・起業準備中 創業初期の経営者の方が 自らの「業態」に合わせて最適な事業計画書 を作成できるようになる

事業計画書とは

事業計画書とは、簡単に頭の中で描いているアイデアや構想を事業という形にし、そしてどのように実現していくのかを示したものである。もっと簡単に言うと、「今後、事業をどのように組み立てていくのか」をわかりやすく落とし込んだものである。

業態別に「事業計画書作成」の目的がことなる

事業計画書を作る目的は、大きく2つある。1つは、他人に事業の概要や魅力を伝えるためである。銀行から融資を受ける場合や、ベンチャーキャピタルなどの投資家から資金調達をする際には必ず求めらる。そして、事業計画の良し悪しによって、融資や出資が受けられるかどうかが決まる。もうひとつは、起業家自身が事業を進めていくための羅針盤や見取り図とするためである。今まで個別に検討したことをまとめることにより不足している点が明確になり、事業計画を磨き上げていくことができる。

究極の目的は「経営指標の可視化」である

起業し事業をスタートさせると、経営に係るさまざまな付帯業務が発生する。スタートアップからある程度の期間を経過し、会社が立ち上がって業務が組織分化されている場合は良いのだが、実際始めたばかりの小さな会社では、経理処理や経営管理は代表者が自分で行っていることが大変多いと思う。そんな中、スタートアップ時にどうしてもおざなりになりがちなのが「経営業務・経営管理」である。

スタートアップ時はどんな企業であっても売上の獲得や企業、商品、サービスの認知活動に必死だ。中々管理業務に手が回らず、気がついた時には手を付けるのも躊躇するような領収証の束。そのような経験を一度はされたことがあるのではないだろうか。恐らく経営者の方々は、このような状態であっても日々の資金の出入りからざっくりと自社の経営状態を把握はされていることと思う。 このような状態で1年を過ごし、決算期に帳簿業務を行って細かなことは税理士さんに依頼し、決算書ができてきた時に1年を振り返る。そのような事態は決して好ましくない。さらなる成長のステージへスムーズに向かうためにも、また、経営状態のアラートを早期に察知し、資金政策などをスムーズに行うためにも、常々自社の経営状態を可視化しておくことがとても重要である。

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事業計画書の書き方

事業計画書はどのように作って、また、何を書けばいいのだろうか。以下、大まかなプロセスである。

1.企業の概念

商号から、この企業はどこにあり、連絡先はどこか、代表者と役員は誰か、株主構成、電話番号とメールアドレス、ホームページのURL、主要取引先、主力商品、従業員数など、創業前であれば予定を記載する。

2.事業の概要

どのような事業を始めようとしているのかを具体的に書く。ここで意識するのは、①誰に②何を③どのように提供するか
ここを明確にするだけでも大まかな概要を相手に伝えられる。
関係者が多く単純な言葉で伝えるのが難しい場合は、サービスの流れや事業の全体図を示すと分かりやすくなるだろう。

3.事業のコンセプト
なぜこの事業をやる必要があるのか、この事業で何を成し遂げる予定なのかを明確にする箇所である。できるだけ簡潔に分かりやすく表現しよう。事業を通じた自社のミッションや、自社の特徴、自社ならではの強みのほか、顧客のメリットを記載。

4.従業員の状況
「従業員」の項目では、事業を始める際の常勤役員と従業員の人数について書く。現在どのくらい従業員がいるのか、また、今後事業を行う上で想定している従業員の人数や、どのような従業員を雇用する予定なのかなども記載する。

5.競合や市場規模など環境面
競合他社の強みなど自社を取り巻く状況や、取り扱うサービスや商品の市場(マーケット)規模はどのくらいかを記載する項目である。
競合他社は3社程度設定し、それぞれの強みを分析した上で記載するべき。競合の強みや弱みを分析すると、自社の独自性や強みを発見できる。

6.自社の強みと弱みといった現況

弱みを書く際は、どのようにそれを改善していくのかの施策も記載しよう。強みは、技術やスキル、ノウハウ、資格、組織力、企業風土などの観点から、自社が顧客から選ばれる理由を分析する。

7.サービスや商品の概要

自社で取り扱うサービスや商品はどんなものか、どのように生産や提供するのか、概要を書く。大きな売上シェアが見込めたり事業の看板になったりするような商材、品揃えなどについて、競合他社との違いも説明しながらアピールしよう。

8.販売戦略やビジネスモデル

取り扱うサービスや商品をどのようなチャネルでどう流通するか、商材のセールスポイントや市場の状況を踏まえた販売戦略・ビジネスモデルを記載する。どうやって顧客に自社の商品やサービスのことを認知させるか、購入に至るまでの仕組みについて説明するである。  

9.体制や人員計画

どのような体制で事業を進めるか、人員計画を書く。長期的な視点に立って、今後どれくらいの人員をどのように動かすかといった計画を作ろう。今後、事業が売り上げを伸ばせばその分だけ人員も必要となる。ここで人件費や採用にかかる募集費用なども予測し、採用計画を立てよう。

10.財務計画

事業が将来どれだけ利益を挙げられるか、資産に関する財務計画を記載する。 

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事業計画書に必要な項目とは?

事業計画書は、主要項目の説得力によって、その可否が決まる。それらは全部で8つあり、以下簡単にまとめたものである。
1.事業プラン名
簡潔かつ魅力的で、これだけでも何を計画しているのかが伝わるように。副題を付けてもいい。
2.事業内容
どんな市場・ターゲットに対して、どんな商品・サービスを提供するのかを可能な限り端的に説明する。
3.市場環境
市場規模や成長性、競合相手の評価などを各種統計データを活用して分析する。表やグラフが有効。
4.競合優位性
同業種・同業態だけでなく、同ターゲットの異業種競合をも意識し、優位性や差別化を訴求する。
5.市場アクセス
計画している事業を、どう市場に認知させるか、どう販売網を築くかなど、事業の実現プロセスを伝える。
6.経営プラン
仕入れ計画、開発・生産計画、人員・組織計画など、事業を継続的に運営するためのシステムを紹介する。
7.リスクと解決策
想定されるリスクや問題点を抽出し、危険度を分析すると共に、対処方法や解決策を先行的に提示する。
8.資金計画
詳細な収支予測に加えて資金繰り計画も立案。また、資金調達案や返済・配当計画も提示しておく。

事業計画書のテンプレート

最後に事業計画書のテンプレートやフォーマットを紹介する。利用によって、簡単に事業計画書を作成できるだろう。

・「Scheeme
 Dynaveが提供する「Scheeme」は、数値計画を一括で自動計算してくれるため、初心者でも簡単に作成できる。ただし、作成機能は無料登録の後だ。また、作成した事業計画書はPDFで出力することもできる。
・「WordやExcel
 できるだけコストを抑えたいという場合は、無料でダウンロードできるWordやExcelのテンプレートやフォーマットを利用しよう。

監修税理士・公認会計士コメント

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