ラーメン屋の開業資金で用意するべきものは?開業後の運転資金についても解説
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数多くある飲食業の中でも、参入しやすいといわれているのがラーメン屋の開業。
ラーメン好きが高じて将来的には店を始めたい、なんて方もいるのではないだろうか。
そこで気になるのが、ラーメン屋を開業する際にかかる開業資金だ。
開業を考えているのであれば、何にどのくらいかかるのかを知っておく必要がある。
今回はラーメン屋の開業を考えている方へ向けて、以下の内容を解説する。
・ラーメン屋の開業資金で用意するべきもの
・開業後に運転資金が必要になるもの
・ラーメン屋の開業資金を抑えるコツ
これから開業を考えている方は参考にしてほしい。
目次
ラーメン屋の開業資金で用意するべきもの
ラーメン屋の開業は他の飲食店に比べて店の広さは必要ないとされている。
例えば都内で10坪のラーメン屋を開業するとなった場合は、開業資金が1000万円前後が相場である。
しかし工夫次第ではもっと開業資金を抑えることができるため、その方法についても後ほど説明する。
ここではラーメン屋の開業のために用意するものと、その費用について詳しく紹介していく。
①店舗の契約
まずラーメン屋の開業に必要なのが店舗である。
開業資金の中でも店舗を用意する際の「物件取得費」は大きな割合を占めるのだ。
物件取得費には以下のような内容が含まれる。
・前家賃
店舗を契約する際には、家賃を1ヶ月分支払うことがほとんど。
保証金とは別になるため覚えておきたい。
・保証金
いわゆる敷金の役割となる保証金。
飲食店の店舗の場合は、保証金が家賃の6〜12ヶ月分必要となることが多い。
ここだけでもかなりの金額になるため、物件取得費用は余裕を持って用意しておきたい。
・礼金
店舗の貸し主へ支払うもので、家賃1ヶ月分が相場となっている。
物件によっては礼金がないものもある。
・仲介手数料
仲介業者に対して支払う手数料で、こちらも家賃1ヶ月が相場である。
開業資金の中でも大きな割合を占める「物件取得費用」。この費用を抑えることで必要な開業資金を減らすことができるため、出店するエリアや家賃に気をつけたいところである。
②内装工事
ラーメン屋はバーやカフェのようにしっかり内装工事を行うことは少ない。
なぜなら店のコンセプトに合わせた店づくりがそこまで重視されないからだ。
そのため必要最低限な修理で済ませることが多いのだ。
内装工事費を抑えたい場合には、居抜き物件を探すのがおすすめ。
前に契約していた飲食店のテーブルやイスを使うことができるので、設備費用も安くなるというメリットがあるのだ。
③製麺設備
自分の店で麺を作る場合には、製麺設備も必要である。
製麺設備は購入すると数百万円はかかるもの。
そこまで投資できないという方は、リースで借りるか中古で製麺設備を購入するのがおすすめである。
また、自家製麺を作るのと業者から仕入れるのでは、どちらが安く済むのか計算しておくとよいだろう。
④厨房設備
麺茹で機や製麺機、炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫など必要な厨房設備は多いもの。
また、メニューによってはフライヤーなども必要になってくるため、開業したての頃はメニューを少なめにしておくと良いだろう。
厨房設備も中古で揃えたり、リースを利用することで費用が抑えられる。
⑤券売機
ラーメン屋では券売機を導入している店も多い。タッチパネル式など機能によって値段は異なるが、50〜150万円ほどの購入資金が必要である。
券売機を導入することでレジでの会計が不要になり、従業員を雇う必要もなくなるため、長期的に見ると安上がりなのだ。
自分1人で営業する場合などは購入を検討してみても良いだろう。
開業後に運転資金が必要になるもの
これまで開業に必要なものとその金額について解説した。
しかしラーメン屋は開業時だけでなく、開業後も費用がかかることを把握しておきたい。
ここでは開業後にかかる運転資金について詳しく解説していく。
①店舗の家賃
店舗の家賃は毎月かかるもの。だからこそどのような立地を選ぶのかが重要だ。
出店するエリアによって大きく差が出るのが家賃だが、目安として売上の10%程度に抑えることが望ましいとされている。
そのため、物件を契約する際には「この立地で家賃の10倍の売上を得られるか」について考えておきたいところ。
できるだけ家賃が安く人通りの多いエリアを探す事が重要である。
②リース代
リースを利用することで設備を安く導入でき、開業資金を抑えることができるのはメリットといえる。
しかし、そのリース代は毎月の支払いとして請求されるため、運転資金が増えることとなってしまう。開業後はお客さんの数も少なく、売上が低いことも考えられるため、運転資金が高くなるのは避けたいところ。開業資金を抑えるために何でもリース契約をするのは注意が必要だ。
③光熱費
ラーメン屋を経営する上で欠かせないのが光熱費である。
家での光熱費とは違い、飲食店の光熱費は金額が高くなりやすいことを知っておきたい。
店の広さにもよるが、飲食店での光熱費の目安は1坪1万円とされている。
それに合わせてラーメン屋はスープを仕込む必要があるため、ガス代や水道代が高くなるのが特徴だ。
④材料代
麺やチャーシュー用の肉、スープ用の鶏ガラなどラーメンを作るときに必要な材料を仕入れる費用もしっかり考えておきたい。
開店する際にたくさんのメニューを用意すると仕込みが大変なだけでなく、材料費もかかってしまうため、まずは少ないメニューから始めるのがおすすめ。
麺を自家製麺にするか仕入れるかでも材料費が変わってくるため、あらかじめ決めておくと良いだろう。
⑤人件費
従業員を雇う場合には人件費が必要になることも頭に入れておきたい。
アルバイトの場合は時給で雇う場合がほとんどだが、毎月10〜20万円の支払いになるため支出としても大きい割合になる。
従業員を雇うかどうかも含め、自分だけで営業ができるのか、営業の仕方をしっかり考えておくことが大切である。
⑥宣伝広告費
開業する際には店の宣伝広告費も必要になる。
チラシ制作などは自作で費用をかけずにできるが、ホームページを作成するとなると10万円ほどかかってしまう。
また、グルメ誌に掲載する場合にも数万円の費用がかかるため、利用するのであれば余裕を持って資金を用意しておきたい。
宣伝費用を抑えたい場合にはSNSをうまく使い、宣伝していくのがおすすめである。
ラーメン屋の開業資金を抑えるコツ
これまで開業資金や、その後の運転資金について詳しく紹介してきた。
ラーメン屋の開業資金や運転資金がどのくらいかかるのか、わかってもらえたのではないだろうか。
しかし、ラーメン屋の開業資金は1000万円が相場とも言われており、用意するのが難しいという方も多いはず。
そこでここでは開業資金を抑えるコツについて解説していく。
少しでも開業資金を抑えたい方はぜひ参考にしてほしい。
自家製麺にこだわらない
ラーメン屋を始める際に自家製麺にこだわる人は多い。
こだわりの材料を使い、スープに合った麺を作ることでクオリティを上げることはできる。
なかには自分が納得するような麺がない、という人もいるだろう。
しかし、自家製麺を作るとなると費用がかかるのが難点だ。
製麺設備を購入するのにも数十〜数百万円かかり、毎日の稼働で光熱費も大幅に増える。
とくに製麺する際には水を補給し続ける必要があるため、水道代が増えてしまう。
どうしても費用を抑えたい場合には自家製麺にこだわらないことも大切だ。
人件費を抑える
先ほども紹介したとおり、人件費は毎月の支出の中でも大きな割合を締めている。
開業したての頃は従業員を雇わず、自分だけで営業するのもよいだろう。
その際には自分だけで店が回るような店作りをしておきたい。
その1つとして券売機を導入するのもおすすめである。
メニューを絞る
資金を抑えるためにはメニューを増やしすぎないことも大切だ。メニューが増えると必要な仕入れが増えるだけでなく、場合によっては厨房設備を増す必要もあるのだ。
営業していく上でどのようなメニューが売れるのかわかってくるため、初めからメニューを増やしすぎないようにしよう。
まとめ:ラーメン屋の開業資金は賢く抑える
今回はラーメン屋の開業を考えている方へ向けて、以下の内容を解説した。
・ラーメン屋の開業資金で用意するべきもの
・開業後に運転資金が必要になるもの
・ラーメン屋の開業資金を抑えるコツ
ラーメン屋の開業資金は1000万円が相場とされている。
しかし店舗の立地を考えたり、居抜き物件を契約することで開業資金を抑えることも可能である。
開業後にも運転資金がかかることを考えながら、工夫して開業準備を行なってほしい。
これから開業する方はぜひこの記事を参考にしてみてはいかがだろうか。
監修税理士・公認会計士からのコメント
ラーメン屋の開業資金は1000万円ほどかかります。ラーメン屋を成功に導くためにはしっかりと資金を抑える必要があります。開業資金を抑えるとともに、開業後の節税対策もしっかりやりましょう。